霞が関で実際に行われた改革、その知見をシェアし表彰することで更なる改革を促進する目的で開催されたピッチイベント『第1回・意外と変われる霞が関大賞』。
改革派現役官僚有志団体「プロジェクトK」が主催し、審査員として河野太郎氏、WLB代表の小室淑恵氏、千正組代表で千正康裕氏(元厚労官僚)、オブザーバーとして人事院総裁の川本裕子氏などが参加。
その様子を詳細にお届けします。
霞が関のパフォーマンスのために変えるべき”無意味”な激務
プロジェクトK 4期副代表 栫井 誠一郎(以下、栫井氏):これで8チームの素晴らしいピッチは以上になります。まずはピッチされた方々への拍手をお願いいたします。お疲れ様でした。
栫井氏:恐らく、今日現地に来ている人達も頑張ってるのは自分たちだけじゃなくて仲間ができた、あの人としゃべりたいなっていうのもあったと思いますし、オンラインで聞かれている方々も「なんか、官僚って頑張ってる人いるじゃん」っていうのと、霞ヶ関ってロボットが働いてるみたいにイメージしている人もいるかもしれないですが、いいメッセージが全国に届いたんじゃないかなと思います。
では、これから審査タイムに入りますので審査員の方々は、部屋に移動の方よろしくお願い致します。
それとオンラインの方々は、投票をお願いします。8チームから2チーム、いいと思うものに投票してください。5分で締め切りをさせていただきますので皆さまアクセスして投票お願いします。
栫井氏:投票結果と審査員の方々の採点を踏まえて全体でグランプリを決定させていただきます。
審査時間中に我々プロジェクトKの提言のご紹介をメンバーの榊原さんからしていただきたいと思います。
プロジェクトK メンバー 榊原 啓(以下、榊原氏):プロジェクトKの榊原と申します。
皆さま審査と発表お疲れさまでした。とてもたくさんの熱意を浴びられたと思いますので、この時間もう実質休憩タイムみたいな感じで話半分で聞いて下さい。
今回のイベントに至りました背景として、プロジェクトKとして新しい提言書を出しております。『国家公務員のパフォーマンスを最大化し、国益を最大化する聖域なき提言』という長いタイトルなんですけども、こういった提言を出しております。霞ヶ関でやるべき改革はたくさんあると思うんですけども、いかに霞が関のパフォーマンスを上げるか、高めるかっていうことの論点から優先課題を洗い出したものなります。
榊原氏:申し遅れましたが、私は プロジェクトK のメンバーの榊原と申します。
私自身はもともと広告代理店にずっとおりまして、霞が関の官僚として働いた経験はなく、純民間メンバーとしてプロジェクトKに関わっております。その中でよく思うのが、霞が関の官僚の方々ってとても口下手だと思ってまして、とても良い政策をやっているとかいい構想、志高い構想を持っておられる一方、わかりやすい形で伝わっていない、知られていないということが非常に多いと感じていまして、私自身コピーライター出身ですので、政策のコミュニケーションにコピーライティングを注入していくみたいな志でプロジェクトKに関わっている次第です。
榊原氏:この提言ですけども、全部で3部構成になっています。
榊原氏:問題意識として現場の方々の声を聞いて非常に感じたのは、「霞ヶ関はブラックな職場だから、もっと楽にしてくれ」という話よりも「やりたい政策がやれない、この政策が本当にやりたい政策なのかわからない」というもっといい仕事をしたいんだけどもそれができないっていうフラストレーションがド真ん中にあると思っていて、国益に資する政策を実現したいけれど、それが激務の中で果たせないというのが現場の現状だと考えています。
榊原氏:なので、問題は激務そのものよりも理不尽な激務で職責を果たせないこと。
必要な業務、無意味な業務、必要だけどやり方があまりにも非効率な業務などが混在していて、それがフラストレーションが溜まってるんじゃないかと感じています。そういった現状認識を踏まえて、大きな改革の目的、大方針を掲げた提言書となっています。
榊原氏:「有限のリソースの中で」と書いたんですけど、つまりこの激務はある日突然に改善するものではない、かつリソースが突然飛躍的に伸びることはないと思うので、有限のリソースの中でどうやってパフォーマンスを最大化するかを念頭に改革案を挙げております。
ブラック霞ヶ関っていう言葉もありましたが、単純に「勤務時間を減らして楽になりたい」というよりは、どうやって合理化をするか、効率化させるかということ、そのための時間創出、スピードアップをするかということにとても強く意識を持っています。
各案、大きな改革を出しておりますけれども、大きな方向性として4つの要素に集約されるかと思っています。
榊原氏:この提言書では、これらの4つの方向性を組み合わせたような形で様々な改革案を示しています。
例えば、『集合知が発揮される組織体制の転換』というところ。組織が縦に割られていることよりも、必要な連携が出来ていないところに問題意識を持っていて、それに対応するような改革案も示しています。
『政策形成過程の複線化』と書いてますけども、トップダウンが悪いのではなく、トップダウンもボトムアップも両方柔軟にやれること、政策形成にも多様性を持たせることが重要なんじゃないかってこと。あるいは現場に実は知見が溜まっていて知っているみたいなところが情報共有されていないがために一から調べ直すみたいな非効率が起きてるんじゃないかという問題認識も背景にあります。
そして『PDCAの徹底と学びの文化の醸成』。政策って影響がとても大きいので、失敗は許されない、避けなければならないことだと思うのですが、失敗を避けるということと失敗を認めないということは全然違うと思うんですね。
失敗を認めないことを無謬性の神話と呼んだりもしてますけども、失敗を認めない、想定したがらない文化から抜け出して、ちゃんと政策としてPDCAを回していこうということを書いています。
そして、『生産性を阻害する要因の徹底除去』。これはデジタル環境もそうですし、オフィス環境も然りだと思います。
こういうことを生産性への投資として行うと、どうしても「税金で労働環境を快適にするなんて浪費だ」と受け取られがちなんじゃないかと思うんですが、むしろ著しく低い生産性というのはある意味隠れた税金の浪費なんじゃないかという問題意識から、こんなことをやってはどうかということの革案を示しています。
具体案は、ぜひnote(リンク)でも公開をしておりますので、ご覧いただきたいと思いますが、まず大方針として省庁ごとのビジョン・ミッション・バリューを策定するということを提案しています。省庁ごとに一応ビジョン・ミッションらしきものは存在しているケースもあるんですけども、どれも自明な方針というか、「国としてそれはそれをやるのあたり前だろう」というようなものが設定されていて、方針として機能していない。
何をすべきで何をすべきでないかを表現するようなスクリプトが必要だろうということを、最初のセクションで提言をしております。
榊原氏:続くセクションでは、組織としてどうすべきなのかってことに対応して、個人として何が求められるかの言語化、あるいは解像度の向上ということを提言しています。
各職務の要件、この職務が何が求められていて、どういうミッションが与えられていて、どういうアウトカムが必要で、そのためにどういうプロセスが推奨されるのかについて、現状道徳観というか国家公務員全般として当たり前のことしか設定されていなかったり、あるいは人事評価の中でかなり恣意的に運用されてしまっていることがあるので、このミッションとアウトカムとプロセスを明確にしていこうと。
それを明確にしていけば評価も自ずと解像度が上がり、また異動する時に自分がなぜこの部署に異動するのかということ、何が求められて異動が発令されたのかわからないまま進んでいくと、個人も能力の発揮がしにくいという声が非常にあがっていて、それを踏まえて異動の透明性という面でも、職務要件や評価の解像度を上げていこうということをこのセクションで話しています。
榊原氏:次に人事やマネジメントという観点なんですけども、現状人事は持ち回りで行われていたり、年次が上がったらマネジメントをやるというある種惰性の人事配置になっていると思うんですが、人事やマネジメントっていうのは専門職と捉えて、人事ができる人が人事をやる、マネジメントができる人がマネジメントをやる、年次が上がってプロフェッショナルな人はプロフェッショナルなことに専念するという形の方が合理的なんじゃないかと提言しています。
榊原氏:そしてそれと対応して、外に何年か務めていた人が霞が関の中にいる年数が少ないという理由だけで、評価が下がってしまっている無意味な年次概念を撤廃して組織の公平性と多様性を高めていくことにも言及をしています。
そして最後に各取り組みを支えるものとして、デジタル環境、オフィス環境も正常化していこう、そしてそれをさらに支えるものとして、そこで働く人々の意識も改革をしていこうということを提言をしています。
このような形で改革案を示しています。
榊原氏:我々のスタンスとしてトップが悪いんだとか現場の声をもっと聞けというトップ対現場という喧嘩をしたいわけでもなく、官僚主導なのか政治主導なのかという二項対立をする気もなく、それぞれが得意なこととか、見ているものを共有しあって、主導権争いをするんじゃなくて、現実的に変えていくことに非常にこだわりを持って霞ヶ関をアジャイルな組織にしていきいと考えています。
榊原氏:提言あるあるですけど、「提言して満足」っていうことは非常に多いと思うんですね。
「これが問題だ」とか「これを考えていかなければならない」というように言うことは簡単。簡単というかそれだけで本当は片手落ちで、「こうやったら変えれるんじゃないか」について自分たちも考えていきたいですし、皆さまから情報を集めたいという視点で、このスタート地点として、この提言を出しています。
榊原氏:次に私たちが強く思うのが、可視化をするということが霞が関改革に必要なことだと思っています。
惨状を可視化する。
いかにこの生産性が低いか、例えば定量的に示す、こんな事例があるという惨状を可視化することもそうですけど、もう一つこんなことが出来るんじゃないかとか、こうすれば実際に変えれるんじゃないかという可能性の可視化も同時に必要なんじゃないかなと思っています。
榊原氏:今回のイベントにおいては可能性の可視化の部分、まだまだ取り組みとしては道半ばかもしれないし、規模は小さいかもしれないけれども、「こういう風にやると具体的に変えることができるんだ」ということをお互い学び合う、可能性を学び合うことが必要なんじゃないかということで、非常に皆さま業務忙しいかと思うんですけども、お時間頂いてピッチに登壇いただきました。
この提言も、このイベントも「こんな風に我々頑張ってますよ」というポーズのためにやってるわけじゃなくて、具体的に変えていくことを目的にしているので、仲間も集めてます。
それぞれの創意工夫が光った各受賞取組
栫井氏:では、これから結果発表の時間です。はい、まずは審査員賞ですね、各審査員の方々から、河野太郎さんの賞は、、、文部科学省の皆さまになります!
■文部科学省有志チームの発表
「霞が関は地獄じゃない」、意外と変われ『て』る文科省のボトムアップ型組織改革
皆さま、前にお願いします。それでは、河野さんから良かったポイントも含めてコメントをお願い致します。
自由民主党広報本部長 河野 太郎(以下、河野氏):おめでとうございます。やっぱり難しいのは国会対応をどうするかとか、省内のDXの遅れをどうするんだとか、やらなくてもいい業務をどうやって止めるのかというのが難しいところだと思いますが、文科省の今日の発表を聞いていると、ツールを使って国会対応もその日のうちに終われるというところが非常に良い。
あとは自分の創意工夫が役所の中でもしっかり通る、そういう環境を評価したいと思っております。
それと文科省も非常に頑張ってくれていますが、(別チームの発表であった)農林水産省のように異動の際に丁寧に説明をするというのは、2回(私は)国家公務員制度の担当大臣をやらせていただきましたけれども、「自分が何でこの異動なのか」について説明がないというクレームや不満が非常に多い中で、それを一生懸命やってくれてるっていうのは非常に評価高く、賞になりませんでしたけれども、そこは農林水産省も頑張っているというのは改めて評価したいと思います。
栫井氏:文科省おめでとうございます。では、皆さま受賞された感想と今後の意気込みなどコメントをいただきたいと思います。
文部科学省 松本 向貴(以下、松本氏)::改めまして、文部科学省有志です。河野太郎賞をいただき、本当にありがとうございます。
我々は、まさに国会対応ということを含めて取り組みを発表させていただきましたけど、非常にを感じているのはデジタルツールの活用だけでなくて、単純に国会質問の通告は、私がアメリカに2年滞在して、帰ってくるまでの間にすごく早くなったとはっきり実感をしており、そういったところに感謝申し上げたいという想いで今回のイベントに参加させていただきました。
外部の方からも様々な応援をいただいておりますので、引き続きしっかりといい仕組みをつくっていける、そして仕組みをつくって、使って、人を活かす取り組みを今後も続けていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
栫井氏:ありがとうございました。
では、続きまして小室淑恵賞の発表に行きたいと思います。受賞されたのは統計データ利活用センターの皆さまです。前の方にお願いします。
小室さんからコメントをよろしくお願いします。
株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長 小室 淑恵(以下、小室氏):(統計データ利活用センターの発表は、)今日私の伺った発表の中で、一番ベースに今いる職員の皆さまの実力が最大発揮できる環境をつくるというものがぶれてなかったなぁと感じた取り組みでした。
■統計データ利活用センターの発表
「業務が増えても残業なし」「年間712.7時間の業務量削減」、、、統計データ利活用センターの挑戦
いわゆる忖度をしたり、睡眠不足によってお互いがイライラしたり、チームビルディングができてなかったり、霞が関の皆さまの能力を発揮しきれないような労働環境に長年置かれてしまっている、自分の最高の集中力がどこにあったか思い出せないんじゃないかという状態で仕事をしているのではないかなと思いました。
和歌山の素晴らしい環境はもちろんのこと、徹底して残業をしない環境の中で仕事をやりきることや、心理的安全性に注目されている。どんな仕事が来てもメンタルがしっかりとしていてポジティブな状態を保って、チームビルディングができていると仕事が自然にうまくいってしまう。
Googleが解明した心理的安全性の高いチームほど業績が良かったというものもありますが、それを徹底してやっていらっしゃって、、、それからセンター長の宣言もしっかり出して、上から順に心理的安全性を発揮している点も素晴らしかったです。
あと60点主義ですね。これこそ本当に全省庁でやってもらいたい。
(霞が関では)重箱の隅をつつくような仕事をしていますので、60点主義は最大の決め手だったと思っています。最大の成果を出すためには、今ある業務をちゃんと削らないといけ
ませんが、それ自体が大変なことなので、ついつい業務削減を避けて、楽しい仕事をしてモチベーションを上げようとする方も多いんですけれど、業務削減することから逃げないで、立ち向かっておられるのが素晴らしいなと思いました。
おめでとうございます。
あ、追加でコメントを2つさせていただいていいですか。
私もちょっと河野さんを真似して、気になったことが2つあって、どうしても触れたいなと思ったので、触れさせてください。
国交省さんの発表なのですが、一番良かったなと思ったのが、現場の皆さま同士でコンペ形式にして、競い合うような形で取り組んだという点ですね。
これも各省庁に真似していただきたいなと思うんですけれども、いかに働き方を変えてくかが評価に繋がる新しい競争なんだという形になると能力の高い皆さまですので、その新しい競争に向かって、どんどん創意工夫できるという心理的な状態と仕組みを作っているのが非常に継続性があると感じました。
それからもう一つが環境省さんです。環境省さんの取り組みがどれほど長いこと本気でやってらっしゃるかをよく知っていますので、本日オンラインで参加されている福嶋さんにはこれだけ継続していることについて敬意を示したいと思います。
また、トップダウンとボトムアップが非常に上手く噛み合っていて、業務削減した上で20%ルールで、新しいことを業務の中で常にやっていいという業務削減と新しいことを追加できるバランス。
これがどちらかだけだとまやかしになっちゃうんですけれども、この両方をしっかりやってらっしゃるという点と最も難しい国会という分野に長年環境省の方が切り込んでいるということ。さらに本格的にやっていくというところに敬意を示して追加のコメントをさせていただきました。
栫井氏:それでは、和歌山からいらっしゃった統計データ利活用センターの皆さまにコメントの方よろしくお願いします。
総務省 統計局 統計データ利活用センター センター長 赤谷(以下、赤谷氏):賞をいただきまして、どうも ありがとうございました。
我々として強調したいのは、和歌山に来たからこの取り組みが実現した話では一切なく、すべて霞が関で実現可能な手法や方策であるというところを強調したいという想いで、プレゼンをさせていただきました。
総務省 統計局 統計データ利活用センター メンバー:ありがとうございます。うちの部は本当にチームの団結力とオフィス環境が良いと思っております。これからも頑張ってまいりますのでよろしくお願い致します。
栫井氏:続きまして、千正康裕賞の発表です。千正康裕賞はソトナカプロジェクトの皆さまになります。
■ソトナカプロジェクトの発表
霞が関の組織変革の原動力となる、“ソト”と”ナカ”を知る越境人材
どうぞ前の方へ。
では、千正さんからコメントよろしくお願い致します。
株式会社千正組代表取締役/元厚生労働省官僚 千正 康裕(以下、千正氏):私は2020年11月に「なんとか霞ヶ関の働き方を変えていきたい」という想いで『ブラック霞ヶ関』という本を書いてしまって、その前に河野さんが国家公務員制度担当大臣になったことも相俟って、メディアでも霞が関の働き方が社会課題として取り上げられるようになってきました。
ただ、僕のせいもあって霞ヶ関が大変なところだと嫌煙されがちになってるんじゃないかと心配もしていて、今日色んな霞が関の中の人が前向きな取り組みをしているということがわかって大変安心していますし、そういうことをこれから自分も発信していきたい。
なぜ僕がブラック霞ヶ関という本を書いて、霞が関の働き方を改善したいかというと、官僚の人たちに対する想いはもちろんあるんだけど、この国の政策をつくる機能を守りたいという想いが強いからです。
その観点からいくと、ソトナカプロジェクトに感動したのは、民間で活躍してた人、外を知ってる人が中に入ってきて、「霞が関の政策をつくる仕事は大事」だとか、「やりがいがある」と言ってくれてること自体が素晴らしいというのが一つ。
それから霞ヶ関が国民の期待に応えられる政策をつくる機能を向上させていくために、この中途採用とか民間の人たちが活躍していけるか。穴埋めじゃなくて新しい機能を発揮していくときに内製化できてない部分をどうやって優秀な人を集めてるかは、すごく大事な課題なので、これから盛り上がってくであろう課題の一発目に良い提言をして活動してくれてることに大変感銘を受けています。
あとは、当事者の皆さまが言ってるという説得力と(当事者の声を)聞く耳を、皆が持ちそうだというところ。提言出しっぱなしじゃなくて、コミュニティをつくるとか、後から来る人をサポートしていくところもとてもいいなと思いましたので、熱烈に今後も応援していきたいと思います。
栫井氏:では、そのまま受賞者コメントをお願いいたします。
ソトナカプロジェクト 吉井 弘和(以下、吉井氏):千正康裕賞をいただき、誠にありがとうございました。千正さんに言っていただいた通り、我々はこれから提言で終わりではなく、コミュニティづくりをやっていきたいと思っております。
本日、他の発表者の方々の中にも、ソトナカ人材がいっぱいいることを感じて、すごく嬉しいです。
それに加えて実は我々のプロジェクトの一つのウリと言うか、やっていて本当に良かったのはソトナカ人材だけではなく、生え抜きの職員の方々にも入っていただいて、非常にコラボレーションが出来ている点です。
その意味で我々のようなソトナカ人材と一緒に価値をつくっていきたいと思っていただける生え抜きの方々にも、ぜひコミュニティに入っていただきたいと思っておりますので、よろしくお願い致します。
ソトナカプロジェクト 中舘 尚人(以下、中舘氏):ソトナカプロジェクトではあるものの、最終的には新しい価値、社会をつくっていくことが大事だと思っています。
そのためにも”ソトナカ”というのが一つ刺激になって、既存の霞が関が変わっていくということが大事だと思っていますので中途に閉じるという形ではなくて、もっとオープンにコラボレーションを生みたいと思っています。
千正氏:おめでとうございます。
僕も一言追加で、ソトナカプロジェクトの皆さまへ。
ソトナカプロジェクトがもっと知られるように今日はそのTシャツを着たまま帰ってもらえればと思いますけども、やっぱり官僚の人たちが元気でやりがいをもって働ける、家庭も大事にできる、プライベートも大事にできる先に、良い政策をつくって、霞が関がちゃんと国民に還元できるか、これがすごく大事だとすごく感じています。
そのことを目指して官僚になってる人ばっかりだと僕は思います。
それは中途の人も含めてですけど、その観点からいくと官僚の政策提案能力を上げることはすごく大事だと思っていて、そのために無駄な仕事を減らす、減らした後に何をするか考えるために情報収集能力を上げて欲しいなと思っています。
霞ヶ関と客の距離は遠いので、団体の代表の話を聞くだけじゃなく、リアルな生の声を聞く場をつくることがすごく大事だと思っていますので、(本日発表していた)第ゼロセクターとかパブ☆スタ企画チームさんのような特に若い人たちがこういう取り組みをして、期待したいのは、政治力学とかステークホルダーとの調整、意思決定のプロセスに長けた上の人たちが持ってないもの、、、例えばEBPM的な手法だとか、外部とのネットワークなんかを築いていければ、きっと役所の中でもいい政策が提案できると期待してます。
ありがとうございました。
栫井氏:はい、ありがとうございました。
最後に本日のグランプリの発表になります。審査員の方々だけでなく、オンラインのオーディエンス投票でもものすごく人気を博したチームがあります。
審査員の賞をもらったから、もう出番終わったと安心している文科省の皆さま。
今一度前の方によろしくお願いいたします。
おめでとうございます。
改めてコメントされますか。
文部科学省 福永 悠貴(以下、福永氏):すいません。みなさま本日はありがとうございます。
実は文科省が有志としてこのイベントに立ったのも、これまで河野先生はじめとして皆さまにお力添えをいただいたり、全省庁の職員が頑張ってきた成果というのが、少しずつあるなっていうことを感じまして、私自身が育児をしていて「何で役人やってるの」、「もうすぐにでも辞めたらいいんじゃないの」と言われる中ですごい悔しさを感じていたので、本日発表したようなことを可視化し、文科省内でもこの成果や今回聞いた皆さまの好事例も含めて、周知して「(霞が関も)意外と変われてるんだよ。ただ、今後も変われる可能性があるんだよ」というムーブメントをつくりたいと思って参加させていただきました。
今回こうした機会をいただいて、文科省としては最高の形で次に繋げられそうです。皆さまにご支援いただき、どうもありがとうございます。
そして、文科省以外の各省庁の取り組みを伺い、「やっぱりこんなに色々進んでるんだなー」とか「これうちで持ち帰れそうだな」ということいっぱいありましたので、皆さまのプレゼンでしたり、こういう場を設定していただいたプロジェクトKの皆さまにも改めて感謝申し上げます。
栫井氏:おめでとうございます。賞の発表は以上になりますが、ここでオブザーバーでご参加いただいている人事院総裁の川本様、是非全体のコメントをいただけますでしょうか。
よろしくお願い致します。
第27代人事院総裁 川本 裕子(以下、川本氏):川本でございます。今日はお招きいただきましてどうもありがとうございました。
皆さまの「霞が関を変えよう!」という取り組み、あるいは提案をお聞きして、とても素晴らしいと思いました。参考にさせていただきたいケース、もっと知りたい実例もたくさんありました。
大事なのはこれらが実現されていくことにより、よい事例が広がっていくことだと思います。皆さまの勇気と情熱と知恵で、より働き甲斐のある霞が関をめざす動きが進んでいくといいなと思っています。
リーダーというのはルールの中でベストを尽くす人というよりは、ルールが正しいのか、常にレビューし、ビジョンを示す人たちだと思っています。
ルールを不断にレビューする。ですので、皆さまの今後の活躍に期待しています。
私は私なりに自分の立場で出来ること、これから尽力していきたいと思います。今日はどうもありがとうございました。
栫井氏:素晴らしい応援のコメント、皆さま本当に勇気をもらったんじゃないかなと思います。ありがとうございました。
受賞も終わりましたが、ぜひこれを今日参加していただいた皆さま、聞いていただいた皆さま、霞ヶ関を変えて、日本を変えていくことを実現していきたいと思います。
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・記事協力:プロジェクトK
・編集・デザイン・ライティング:深山 周作