霞が関の組織変革の原動力となる、“ソト”と”ナカ”を知る越境人材

霞が関で実際に行われた改革、その知見をシェアし表彰することで更なる改革を促進する目的で開催されたピッチイベント『第1回・意外と変われる霞が関大賞』。

改革派現役官僚有志団体「プロジェクトK」が主催し、審査員として河野太郎氏、WLB代表の小室淑恵氏、千正組代表で千正康裕氏(元厚労官僚)、オブザーバーとして人事院総裁の川本裕子氏などが参加。

その様子を詳細にお届けします。

※本記事は、原則全文書き起こしとなりますが、イベントや話者の意図が一層伝わるように、主催者の了承のもと、一部(事務連絡、言い淀み、繰り返しなど)編集を加えております。
※文中の話者の肩書は、イベント当時のものとなります。また、発言は個人の意見であり、所属する組織に帰属するものではありません。

越境人材の活躍で霞が関にイノベーションを起こす

プロジェクトK 4期副代表 栫井 誠一郎(以下、栫井氏):では続きまして4チーム目。中途採用からの活用のソトナカプロジェクトの皆さんお揃いのTシャツです。よろしくお願いします。こちらです。はい、では大丈夫です。

ソトナカプロジェクト 中舘 尚人(以下、中舘氏):まずは自己紹介から始めさせていただきます。

私は、経産省の中舘と申します。新卒でITベンチャーに入り、その後は「テクノロジーを社会実装するために社会の仕組みそのものから変えていかなければいけない」と思いまして、霞が関に入りました。

よろしくお願いします。

ソトナカプロジェクト 中野 芳崇(以下、中野氏):中野と申します。

私は新卒で総務省に入りまして、(ソトナカプロジェクト内では)唯一の生え抜き人材なんですけれども、「外から霞が関に優秀な人々が来ていただいて、多様性を高め、霞が関をアップデートしたい」と思って、このプロジェクトに参画しております。

ソトナカプロジェクト 佐藤 奈美(以下、佐藤氏):佐藤と申します。

私は新卒で航空業界に入社いたしました。「交通インフラ整備を根本から変えたい」という気持ちがあり、国土交通省に転職いたしました。

私は入省してまだ間もないですが、日々優秀な同僚に囲まれ、奮闘する毎日です。

ソトナカプロジェクト 吉井 弘和(以下、吉井氏):吉井と申します。

吉井氏:私は新卒で外資コンサルに入社を致しました。その後、「人材の流動性向上が社会を強くする」と信じて個人プレーでもいいのでリボルビングドアを実践してみたいと思い、厚労省に転職を致しました。

私たちの多くは民間企業から霞が関にまいりました。その中で公共の利益を追求できること、そして国でしかできない仕事をやらせていただけること、そこに強いやりがいを感じて仕事をしています。

同時に、国家公務員全体に占める中途採用の職員の数は1%ほどしかおらず、中途人材の採用・活用という意味ではまだ課題があるとも感じております。

吉井氏:人材確保で苦しんでいる霞が関ではありますが、単なる数合わせのための中途採用ということではなく多様な人材が働ける、活躍できる環境になれば、霞が関でもイノベーションが起きやすくなと思います。

さらには霞が関全体の組織マネジメントに変革を起こし、社会に対して新しい価値を提供できるようになるためにも、我々は提言を取りまとめ、人事院の川本総裁、それから内閣人事局等に提言をさせていただきました。

中舘氏:ソトナカプロジェクトでは、中途採用者約100名にアンケートを取りました。

中舘氏:その結果、現在の仕事に対する満足度は非常に高くて、皆さん転職して良かったと感じている一方、入省直後のサポートに対する不満や将来のキャリアに対する不安というものを感じていました。

中舘氏:『「特に社会人年数から数年引かれて役所年次に組み込まれている」と後で知る』、『どんなに頑張っても生え抜き社員と同じように扱われない』という悲しさやむなしさを感じているという声がありました。

中舘氏:実際に提言を作っていく上では、我々中途人材へのアンケートだけでなく、中野さんのようなプロパーの方、人事コンサルの方、先進企業の人事の方、有識者、約20のヒアリングを踏まえて提言を作成しました。

中野氏:次に提言の内容です。

中途採用者へのニーズ、求める役割についてのスタンスは、各省ごとに大きくことなります。そこで中途採用の推進に関するステージを1から3まで設定しました。まずは各省自ら軸足を置くステージを定め、社会や未来の同僚に向けて説明責任を果たすことを提案します。

中野氏:ステージ1は、当面の人員ニーズを充足するための中途採用です。ここでは年収水準の明確化や定着に向けた伴走型支援など、中途人材のスムーズな受け入れを目指します。

ステージ2は、組織の一定割合を恒久的な戦力として、中途採用を行う段階です。組織にとって必要な人材を定義した上で、戦略的に採用します。

ステージ3は、中途採用を組織変革の原動力とする段階です。ジョブ型で分け隔てなく省内外の候補で人員配置を行います。

佐藤氏:あくまで3つのステージは私たちの提案であり、国家公務員の中途採用のあり方について、各府省庁が検討すべき論点や施策の選択肢等を内閣人事局や人事院が示していくことが必要であり、私たちも一緒に作っていきたいと考えています。

もちろん、私たちも動きを止めません。

佐藤氏:新たに中途採用で霞が関に来る人たちの定着支援を行っていきます。そして、生え抜き、中途を問わず多様で、ともに価値を作る意欲のある人材が集うコミュニティを作っていきたいと思ってます。

吉井氏:私たちのプロジェクトはまだスタートしたばかりで、まだ実績は少ないかもしれません。しかしながら中途人材の採用を推し進めることで、先ほど申し上げた多様性の向上、組織マネジメントの変革に繋がっていくと信じております。

このムーブメントを絶やさず大きな力に変えていくためにもぜひ皆様のご支援をいただければ幸いです。どうもありがとうございました。

栫井氏:では質疑応答の方よろしくお願い致します。はい、千正さんお願いします。

株式会社千正組代表取締役/元厚生労働省官僚 千正 康裕(以下、千正氏):当事者としてみなさんが素晴らしい提言を自らの問題意識や経験をベースにしながら、いろんな知恵を取り入れながらまとめていただいたということを非常に応援したいと思います。

こうしたものが、霞が関の中でも色々出ていて、私がすごくいいなと思ったのは、これから自分たちもさらにアクションをとっていきたいということで、定着支援。

新しく中途で来た人の定着支援として、コミュニティをつくっていくというのは、すごい期待したいなと思いますが、「こんなの出来たらいい」っていうのがあればお聞きしたいです。

吉井氏:いくつか我々の中で議論しているものがございますけれども、まず最初にコミュニティづくりの一環として勉強会をしたいと思っております。

我々は何年間かソトナカ人材として、霞が関の中で仕事をしてきておりますので、新たに民間から来られた方々にTipsの共有をしたり、相互に学び合うような機会を作っていきたいと思っております。

栫井氏:次に河野さん、お願いします。

自由民主党広報本部長 河野 太郎(以下、河野氏):年次の議論がありましたけれども、折角、中途採用で霞が関にどんどん人が来てくれる中、やっぱり年次って必要なのかしら。

もう中途採用でリボルビングドアみたいに中と外が入れ替わるんだったら、この年次で人事をするのではなく、本当に能力本位の人事に変えられるんじゃないかと思うんですけど、その年次のこだわりは必要なのかしら。

吉井氏:ご質問ありがとうございます。

我々、提言の中で先ほどステージを3つ設定したと申し上げました。ステージ1とステージ2に関しては、まだ今の霞が関の人事のあり方をある程度は前提とした世界観での提案となっております。その中では年次に関しては、中途だからといって不当に低く評価をされないということが大事ではないかと思っております。

一方、ステージ3に関しては、霞が関の組織変革そのものに中途人材を積極的に活用していくという段階で、おっしゃる通り省内外公募をして人材を採用していくですとか、その際に必ずしも年次主義を取らないということも我々の提言の一部となっております。

ただ、繰り返しながらステージ1・2・3のどこに軸足を置くのかは、各省庁でぜひ検討して軸足を定めていただき、我々もそのためのご支援をしたいと思っています。

中舘氏:最終的には、年次主義はいらないと思っています。

栫井氏:はい、ありがとうございました。

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・記事協力:プロジェクトK
・編集・デザイン・ライティング:深山 周作