クロス・インキュベーションプログラムとは、官民垣根なく集ったメンバーが新しい政策・事業立案を生み出すため、実践の入り口である第0セクターと、官民共創を推進する株式会社Publinkによる、共創プログラム。
プログラムでは、参加者同士で「知の探索」「個社ワーク」「個人ワーク」のサイクルを繰り返し、価値の創造、新規事業人材の育成を目指していく。
そこで立案された政策や事業について参加者から語られました。
企業と山林をつなぐ情報のプラットフォームを作りたい
日建設計コンストラクション・マネジメント株式会社 ディレクター マネジメント・コンサルティング部門/サステナビリティ推進室 吉岡 優一 氏(以下、吉岡):日建設計のグループ会社のコンストラクションマネジメントをしております吉岡と申します。
よろしくお願いします。私は「企業と山林をつなぐ情報のプラットフォームを作りたい」という課題を持ち込みました。少し皆さんと違うのは、CSR活動の枠組みをどうやって使っていけるか、という意図の企画持ち込みになります。
吉岡:簡単に私の自己紹介です。もともと建築の設計には関心があるんですけど、それ以上に「どういう中身を作るか」、「コンテンツを作っていくか」ということに非常に関心があります。
吉岡:なので、カードゲームを作ったり、イベントを作ったり、どちらかというとそっちの方に強い関心があり、「どのように社会貢献の文脈で企画が実装できるか」ということをやっております。
当社で社会貢献活動を紹介していきながら、どういう学びがあったのかをご紹介できればと思います。
まず、「木を伐る活動」(通称:木こり活動)をやっていて、原体験であったり、実体験を持ち帰って、特に環境意識の意識改革が起こるようなプログラムを実装しております。実際に木を手で伐ってみたりとか。
吉岡:あと、(実際の林業では)やらないですけど、手で木を運んでみるというプログラムをやったり、林道を整理するようなプログラム。あとは実生の苗を発見してきて、その苗木を育ててみるプログラムをやっております。
今の山林に対する無関心な状況を変えていきたい
吉岡:それと並行して、新しい森林文化を耕すメディアということで、どちらかと言うと、僕ら自身も学びながら、知を共有するような、非林業からのアプローチというのをやっております。
吉岡:木を伐ること、運ぶこと、使うこと、つくることのボトルネックにフォーカスしながら、このような形でどちらかと言うとポップに、非林業系の方々にも伝わるような内容を発信しております。
吉岡:例えばですけど、右が奈良県の吉野で非常に有名な山主の方です。それとは対比的にちょっと視点を変えて、古くからの山主の浜松いわた信用金庫※名称変わりましたの会長の山主さんにインタビューしてみる、ということなどをやっております。
実体験を伴う企業と山林の関わりから、「今の山林に対する無関心な状況を変えていきたい」というのが本企画を持ち込んだ課題意識です。
吉岡:私自身としましては、この日本で一番面白い駐車場の経営者だった鈴木基生さんとの出会いをきっかけに、多くの山の現状を目の当たりにすることになりました。
このような状況、社会課題を「どうやって林業における難しい状況を解決していくのか」というお話と。あとは林業の担い手として働かれていた木こりさんが担ってきたものをどうやって継承していくか、というような課題にフォーカスしていきたいということです。
通常であれば、事業で解決する社会課題ということでCSVにするのが一般的ですけど、そこで解決できるものがすべてであったら、社会課題は存在しないわけで、それ以外の「?」の部分をどういうふうに解決していくか、というのが課題意識です。
吉岡:例えば、われわれの活動している内容で行きますと、浜松市で連携してやっている内容で、左が山の担い手側、代理店の方だったり、木こりさん。右側が街中でデザイナーさんだったり、イラストレーターをやっている方々です。
吉岡:そういう方々と連携しながら、私たちの活動をしているような状況です。今回の新たなネットワークによって、本プログラムのネットワークによって、他の地域に展開する可能性を検証している状態です。
現状として我々が体験してきたことなんですけど、企業が山林と関わろうとした時に、なかなか課題であったり、プレーヤーは単発的に見えてくるんですけど、「どうやって関わっていったらいいのか」というのが見えづらい状況なので、それをこのテーマで検証しているというような状態です。
簡単に絵にしてしまうと、このような形になります。
吉岡:想いだったり、クリエイティヴなアイディアがある企業さんと自治体さん等を繋ぐようなこと。あとは我々自身も社会課題に向き合う活動として、そういうワーキング活動を支援するようなことができたらいいなと考えております。
実際、プログラムの中ではいろいろな方々を紹介していただいたり、経産省の方からは違った視点を頂いたり。
内閣府の方からはちいきん会のネットワークをご紹介していただいたり、非常に有益なネットワーキングと、課題意識の深化ができたかなと思っています。
企業・個人として、自治体として、社会として、関わり手としてどういうふうに(山林に)関わっていけるか、ということを一緒に考えていければいいかなと思っています。
株式会社Publink 代表取締役 栫井 誠一郎 氏(以下、栫井):実際に森林ということで行動を起こして、内閣府や経産省、いろんな人たちと対話やアポイントも進められて記念写真も撮られていたと思います。
栫井:どんどん進めていただき、ありがとうございます。
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・記事協力:第0セクター
・ライティング・編集・デザイン:深山