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長野県が主催(運営事務局:株式会社Publink)する、長野県内の市町村が抱える課題を、多様な企業とのオープンイノベーションによって解決する取り組み「おためし立地チャレンジナガノ(以下「チャレンジナガノ」)」。
60者の企業から応募があった2021年度(チャレンジナガノ2021 DEMODAY特集はこちら)から引き続き盛況な本取り組みは、2022年度も51者から応募があり、新たに多くの官民共創プロジェクトが誕生しました。
2023年3月7日に開催された『チャレンジナガノ2022 DEMODAY』の様子をレポートしていきます。
【長野市】地場産業をブーストするDXプラットフォーム
株式会社Publink 代表取締役社長 栫井 氏(以下、Publink 栫井):ここからパートナー枠(※)の6市町村の発表となります。
※パートナー枠…マッチング企業と市町村の課題解決の取組を市町村が主体的に実施する枠。県は必要に応じサポートを行う。
長野市役所 商工労働課 吉澤 氏(以下、長野市 吉澤):長野商工労働課の吉澤と申します。昨年度に続き2回目の参加となります。
まず長野市の簡単な紹介ですけれども、一言で言いますと『都会と自然を結ぶ門前町』で、東京から新幹線で1時間20分で非常に近い便利な場所にあります。善光寺の門前町を中心に街があるんですけれども、車で10分も走れば、田園地域になり、そこから高原にもすぐ近いということです。
長野市 吉澤:人口は37万人ぐらいで日本一標高が高い県庁所在地ということになります。夏はキャンプ、冬はスキーとアクティビティも盛んです。あとは市長は、キングオブスキーの荻原健司が担当しております。
チャレンジナガノに提出した長野市の地域課題は、『市内企業のDXデジタル化がなかなか進んでいない』というところで、支援体制、プラットフォームを構築しようとしているところなんですけれども、運営するためのプレーヤーが不足していまして、その募集を地域課題として挙げさせていただきました。
3種類のプレイヤーを募集してまして、プラットフォームの全体を担う『プロジェクトマネージャー』、それから企業の課題整理や伴走支援を担う『技術的アドバイザー』とDXソリューション情報の提供などを行ってくれる『ソリューション企業』ということで、3つの募集をかけさせていただきました。
長野市 吉澤:現在の事業スケジュール進捗状況なんですけれども、DX支援プラットフォームの構築に関しては、令和3年度からスタートしておりまして、市内企業のニーズ調査などを行ってきました。
今年度の前半では、事業の概要設計ですとか、実証実験の受託事業者の選定などを行いまして、11月から、実証実験をスタートしております。その流れに合わせまして、チャレンジナガノの方でも、企業の募集をさせていただいて、11月から12月にかけて、11社の企業と1回目の面談を行わせていただきました。
さらに事業が進んできて、内容がある程度固まってきましたので、2回目の面談を現在まさに進めているところです。プラットフォームへの参加の意向の確認や、今考えていることへのご意見などを伺っているところです。
今後の流れとしては、来年度(令和5年度)に参画する企業を改めて募集しまして、選考を行って、プラットフォームの構築を1年かけて進めていきたいと思っています。
令和6年度からプラットフォームを運営開始したいと思っておりまして、今回チャレンジナガノで参加していただいている企業の方にも、ぜひ応募して当社プラットフォームの構築・運営に参画いただきたいと思っております。
長野市 吉澤:今年度の成果としましては、長野市とすると普通なら出会えないような企業の方と11社もお知り合いになることができたのが非常に大きかったです。またDX支援に非常に熱意を持っている方がたくさんいらっしゃるんだなということがわかりました。
こちらの考えている支援に対して、様々なアドバイスを得られて、PRの方法、支援内容、支援方法、それから運営のマネタイズも非常に具体的なご意見をいただけたのが、こちらも非常に頭を悩ましていたところだったので、考えの整理になりまして大変助かりました。
長野市とすると本当に「ありがとうございます」というところなんですけれども、参画していただいた企業の方には具体的な事業の進捗に今年度では繋げることができなかったのが、大変申し訳ないと思っております。
来年度から、いよいよ本格化していきますので、引き続き(多くの企業の方々に)ご参画をいただければなと思っております。
Publink 栫井:吉澤様、ありがとうございました。聞いてる皆様も、ぜひ長野市のDXには大きなポテンシャルがありますので、来年度以降の長野市のDXプラットフォームもよろしくお願いいたします。
では、続きまして岡谷市様、準備よろしければお願いいたします。
【岡谷市】『超精密加工技術の集積地』のDXプロジェクト
岡谷市役所 工業振興課 鈴木 氏(以下、岡谷市 鈴木):岡谷市 工業振興課の鈴木と申します。本日はよろしくお願いします。
まず、岡谷市の紹介をさせていただきます。岡谷市は長野県の真ん中、首都圏、中京圏から約2時間半のところにありまして、主要都市からのアクセスが良い地域となっております。
諏訪湖に面しており、山々に囲まれて街の機能が集約されていることから、美しい
山々に囲まれたコンパクトな街となっております。
岡谷市 鈴木:産業面については、明治から昭和初期にかけて生糸の一大生産地として発展し、国内では『糸都 岡谷』、海外からは『シルク岡谷』と呼ばれてきた歴史があります。
戦後は製紙業に代わり、時計、カメラ等を中心とした精密工業が盛んとなり、『東洋のスイス』と呼ばれるまでに成長をしました。現在は、『超精密加工技術の集積地』として発展を続けています。ここまでが岡谷市の紹介となります。
続いて、抱えていた課題についてご説明をさせていただきます。岡谷市を持続可能な地方都市とするためには、市内製造業のデジタル化による生産性の向上やIT企業、IT人材の誘致を通じた産業集積の基盤強化などが必要であり、課題であると感じております。
市内製造業に対し実施したアンケートを見ても、デジタル技術について、導入済み、あるいは導入予定と回答した企業が全体の約15%にとどまっており、市内製造業のデジタル化、DX化が進んでいないということがわかります。
岡谷市 鈴木:そのため、今回、『製造業のDX』を課題・テーマとして掲げました。次に今回のマッチングの概要についてご説明をさせていただきます。岡谷市とマッチングの希望をしていただいた企業様は6社ありまして、そのうち、株式会社リクルート様と、マッチングをさせていただきました。
岡谷市 鈴木:理由としましては、「製造業のどの部分に焦点を当ててDXを進めていくことが良いのか」、この点が(現時点では)明確ではない状況でしたので、多くの企業に共通する雇用、採用の部分に焦点を当てて、DXに対するマインドを変えていきたいと考えたためです。
マッチング後は面談をさせていただき、私たちとリクルート様が感じている岡谷市や地方のDXに関する課題を共有しまして、DXの推進方法について、意見交換をさせていただきました。その中で、推進する方法として、DXツールの提供とマインド変革が必要ではないかという話になりまして、現在はリクルート様が持つDXツールをきっかけとしたマインドセット変革のセミナーについて実施を検討しているところです。
私たちとは違う観点や考え方に触れることができまして、非常に意義があることだったと感じております。
最後にチャレンジナガノでここまで取り組んできた感想ですが、まず動いてみることが非常に大事だということを感じました。今回の事業については、ここまででご説明させていただいた通りとなりますけれども、その他にも、今回の事業で繋がった方々と別の事業の動きが出てくるなど当初は思ってもいなかったような動きも出てきております。
このように一つの事業でできたネットワークから多方面に可能性が広がりまして、応募させていただき、「よかったな」と改めて思っております。今後も今回の事業をきっかけに広がったネットワーク等を活用させていただきまして、官民共創による取り組みに挑戦していきたいと考えております。
最後になりますが、このような方向に向かってきているのも長野県様、Publink様、マッチング希望していただいた企業様などのおかげだと思っております。この場を借りて感謝申し上げます。
Publink 栫井:ありがとうございました。お陰様で大変熱い人が岡谷市には集まっています。
では、続きまして飯田市さん、お願いいたします。
【飯田市】”住みたい田舎”が取り組む、市内企業の採用力強化
飯田市役所 工業課 金田 氏(以下、飯田市 金田):飯田市工業課の金田と申します。よろしくお願いします。
飯田市は、長野県の南に位置しており、人口約10万人で中央アルプスと南アルプスに挟まれた河岸段丘となっております。交通アクセスは、東京からバスで約4時間、名古屋からは約2時間の場所にあります。
飯田市 金田:近い将来、リニア中央新幹線の駅ができます。駅ができると、品川までは約45分、名古屋までは約25分とすごく短時間で行くことができます。それから三遠南信自動車道の整備をしており、これもリニアの開通前後で全線開通しますので、すごく利便性が良くなるということです。
飯田市 金田:飯田市は、日本一焼肉店の店舗数が多いということで、『焼肉のまち』をPRしています。地場産業としては、電子部品の製造、伝統産業である水引や漬物などが多く生産されております。
飯田市の特徴としては、移住者にとって重視されていることとして、子育てが非常に充実しており、2023年度版、住みたい田舎ベストランキングで飯田市が人口5万人超10万人未満の街で全国一位に選ばれました。
続きまして、飯田市が抱えていた課題については、『製造業における人材不足の解決』を掲げておりました。今回の(企業との)マッチングの概要ですけれども、まず安定した労働力確保に向けた取り組みを提案できる企業、それから従業員の働き方や職場環境の改善に資する各種サービスの提供ができる企業、それから地域の住民の採用支援ができる企業とのマッチングを希望したところ、4社とマッチングすることができました。
2月21日に『人材不足解消セミナー』ということで講座を地元の企業さんに集まっていただいて開催しました。
実際には、9社の参加がありまして皆さん熱心に聞いていただきました。名刺交換もさせていただいておりまして、その後の展開も業者同士でやっていただくということになっております。
今回行ったアンケートの結果は、「人材が不足する中でいろいろとアプローチをすることができ、大変参考になった」、「各社のサービスとして知る機会になった」、「人だったり、人材の採用としても様々な見方があるんだ」等概ね好評でした。
今後については、飯田市役所庁内や連携できる人がいれば、アプローチしながら繋げていければなと思っております。最後に今回のお試し立地チャレンジナガノですけども、飯田市は参加2年目になりますが、課題解決のヒント、きっかけ作りになるという認識でおります。
Publink 栫井:飯田市さんは、マッチングされた企業と合同のセミナーで地元企業との絆をつくっていただきました。どうもありがとうございます。
では、続きまして、千曲市さんよろしくお願いいたします。
【千曲市】市の掲げる3つの課題に合計14社から提案
千曲市役所 産業振興課 藤森 氏(以下、千曲市 藤森):皆さん、千曲市 藤森です。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、千曲市の概要です。長野県の北部にあります。人口約59,000人で、世帯数22,000世帯になってます。面積は約120キロ平方mで、観光地としては美肌の湯で知られる戸倉上山田温泉や日本遺産として登録された姨捨の棚田などがあります。
千曲市 藤森:街には千曲川が流れ、川の流れのように清らかな気持ちで皆様をお出迎えします。
千曲市は三つの課題でチャレンジナガノに応募させていただきました。一つ目は『歴史を未来へ伝える文化伝承創造ロードの実現』ということで地域の歴史文化の魅力的な情報発信に向けた企画を一緒に作り上げていただける方を募集いたしました。
二つ目の課題として、みんなが集い、憩い、楽しめる『スポーツコミュニティパークの整備』ということで、地元にも周辺施設にも相乗効果が期待できる施設整備をして、まちづくりを一緒にできる方を募集しました。
三つ目として、『官民一体、採用力強化プロジェクト』として人材に困っている地元企業の採用力を高めるための提案をいただける方を募集しました。その結果、14社からのご応募をいただきました。誠にありがとうございます。
千曲市 藤森:うち12社と打ち合わせをさせていただき、残り2社は3月中に打ち合わせ予定となります。
応募していただいた企業様への心構えとして、最初は頂いた提案を、応募者3人で聞くようにしました。その際はオンライン会議でしたり、現地会議、視察、どれでも対応するようにしました。
その後、提案内容を担当課に持っていくときは、打ち合わせに同席をさせていただき、企業様と市役所の中立の立場に立ちました。これにより、企業の方に市役所と文化の違いなどを感じさせず、打ち合わせをスムーズに行いました。
その結果、ほんの一部の事例にはなってしまうんですが、取り組みの成果として、歴史に関する課題では、マッチング企業さんを含む重伝建地区の活性化プロジェクトチームを立ち上げ、計画を作っていこうと動いております。
スポーツの課題では、温泉地での新たなスポーツ合宿の提案を受け、今後、温泉旅館組合の方を呼んで説明会を行っていく予定です。
採用の課題に関しても、地域おこし協力隊の活用なども視野に入れ、市役所の中に入ってもらって採用力の土台を作ってもらうための協議やウェブの活用、外国人採用の御提案をいただいているので、中で検討をしながら動いております。
千曲市 藤森:チャレンジナガノに応募してみてのメリットと感想で、まずはメリットですが、課題に対して想定した以上に提案をもらいました。なので、応募した担当課だけでなく、他の課と横の繋がりを持つ機会が多くありました。
また多くの人との繋がりもできました。企業の方からスポーツ団体の方、企業の方から大学教授の方、企業の方から国家公務員の方、国家公務員の方から国家公務員など、とても幅広い人材の人と出会うことができました。そのおかげで補助金の案内や様々なデータ、資料をいただくことができました。
今回チャレンジした感想なんですけど、このチャレンジを通して新たな取り組みが生まれそうなところまでいろいろ進展をしております。当市に足りていなかった、官民が連携して事業を行うことを今後やっていく第一歩になったのではないかと感じております。
参加してよかったと本当に思っています。
また、課題盛りだくさんの千曲市は来年度も上限いっぱいの課題で応募させていただき、今回の経験を踏まえて、企業の方と、さらにチャレンジナガノの魅力にどっぷり浸かっていきたいと思います。
(スライドの)下三つは観光地の写真になります。来年度も千曲市をよろしくお願いします。
Publink 栫井:どうもありがとうございました。では、辰野町さん、ご準備よろしければお願いいたします。
【辰野町】『作り手になれる街』の共創環境の整備
辰野町役場 地域おこし協力隊 小菅 氏(以下、辰野町 小菅):では、辰野町の成果報告させていただきます。辰野町地域おこし協力隊の小菅と申します、皆さんよろしくお願いします。
まずはじめに辰野町の概要についてご説明させていただきます。辰野町は、約1.8万人の人口で日本の中心に位置していると言われています。長野県の中でも大体真ん中に位置しています。
新宿から2.5時間ほどで来ることができ、移住が最近盛り上がってまして、去年は住みたい田舎ランキングで全国3位、ゲンジボタルが有名でシーズンには全国から観光客の方に来ていただけています。
辰野町 小菅:そんな辰野町なんですけれども、多くの地方と同様、少子高齢化、人口減少の課題を抱えていまして、そこに対して、「空き店舗の価格がすごく安い」というメリットであったり、「コンパクトかつ密なコミュニティがある」という二つの強みを生かして、外からの作り手となってくれるような人材を誘致してます。
辰野町 小菅:辰野町は、いま『作り手になれる街』と謳っていて、全国から「何か新しいことを始めたい」という方を呼んでいます。これによって『関係人口から共創人口』を増やしていくということで、関係人口を通り越して、実際にその地域にいる方々と同じぐらい地域に愛着を持って、一緒に地域を作っていってくれるような長期的な関わりを持ってくださる方々を集めています。
辰野町 小菅:今回の募集テーマは、この『持続可能な地域づくりのためにの地域内外の共創環境の構築』に対応した企業さんを募集しました。
その中でも三つの領域に分けて募集をかけており、一つ目が、最初の入り口として企業さん向けのワーケーションだったり、研修のツアーを企画運営してくださる事業者。二つ目が少しざっくりしているんですけれども、都市と地方の好循環モデルを構築してくださる事業者。そして、辰野町では子供たちも未来のまちの担い手として集めていきたいということで、ファミリーワーケーションの企画運営をしてくださる事業者。
この三つを募集させていただきました。
辰野町 小菅:結果として、今年は11社様からご応募いただきまして、うち5社と面談させていただきました。いま実際に二社と継続の取り組みをしており、話し合いを進めています。
辰野町 小菅:その二社のうち、一社はワーケーションのプラットフォームを提供されている会社さんで、最初にインバウンド向けの新規ワーケーションプラットフォームと地域DAOの実証実験のご提案をいただき、検討していました。
最初にいただいたご提案そのままだと「辰野町にはそこまでしっくりこないんじゃないか」という点もいくつかあったんですけども、担当してくださっていた方がすごく良くしてくださって、実際に現地にもお越しいただき、「この方と何か一緒にできたらいいな」という想いもあって、少しずつ柔軟に形を変えながら、最適な協業の形を見つけていこうということで継続検討しております。
二社目が、株式会社クリーマさんというクリエイター、ハンドメイド作家などのクリエイターさんの移住誘致政策を行ってくださっている企業さんで、移住者向け、クリエイターさん向けの移住体験ツアーの企画であったり、PRを提案していただきまして、辰野町の作り手となる人たちを呼びたいというニーズと凄くマッチしており、今年度あまり予算がなかったんですけれど、地域おこし協力隊の予算内でスモールに始めつつ、来年度の内閣府の補助金の活用も視野にして、拡大していきたいという形で進めております。
辰野町 小菅:チャレンジナガノに参加しての感想としては、まず辰野町はあまり知名度も高くない地域なんですけれども、こういった機会で沢山の企業さんとか、沢山の方々に知っていただけたのはすごく大きな意義があったと感じています。
その上で11社もの企業さんに実際にマッチングして、面談を通して繋がりを作れた。企業さんは、それぞれプロダクトを持っていたり、課題提起を持っていたりするので、普段あまり考えることのない視点、角度から辰野町の課題について考えるきっかけをいただきました。
そういった企業さんと連携することによって、辰野町内だけでは凄くリソースが限られているんですけど、単体では出来ない動き、ムーブメント作りを企業さんと連携することによって、行っていくことが出来る可能性を感じました。
Publink 栫井:素晴らしい景色と共に発表、どうもありがとうございました。では、松川町さん、お願いいたします。
【松川町】『おら東京さ行ぐだ』問題解消を目指すリトリート施策
松川町役場 産業観光課 松尾 氏(以下、松川町 松尾):松川町の松尾と申します。
『リニア新幹線開通を見据えたリトリート拠点 「南信州 まつかわまち」』ということでお話をいたします。
松川町は長野県の南に位置し、人口は約12,000人です。2027年のリニア開通によりまして、都市部からのアクセスが劇的に向上すると考えております。交流の活発化が期待される地域となっております。
松川町 松尾:これを踏まえて、我々は「交通の利便性の向上を強みとした新たな都市部からのあらゆる交流拠点となりたい」と考えております。
いま始まった話じゃないんですけれども、この地域の課題としては、高校を卒業して学生として都市部へ出て行ってしまって、そのまま都市部へ住み着く、就職してしまったり、ここ(松川町)へ帰ってこないということです。
これを『おら東京さ行ぐだ』問題と名付けました。
松川町 松尾:それで今回の課題とテーマでは、この課題を解決していきたいというところで、松川町の三つの『ない』である進学先、働く場所、楽しめる場所がないというところを『ある』に変えていきたいと考えました。
松川町 松尾:私は商店街にも関係しているものですから、商店街の機能を多様化するための企業誘致をしていきたいと、物を売る機能だけではなくて、多様性の追加、その中に企業誘致というところがありまして、商店をイノベーションをしていきたい。
松川町 松尾:そこから松川町だから『ある』ものでリトリートとして、ワーケーションなどで滞在していただいて”よそもの目線”の町のリソースをPRしていただければなと考えていたんですけれども、、、ちょっと「自分の挙げた今回のテーマは広すぎるんじゃないかな」と思って、失敗しちゃったのかなと思いながらお話をさせていただいておりました。
松川町 松尾:ですが、結果的に色々な提案をいただいて、本当に感謝をしています。10社の皆さんから提案をいただきまして、6社の皆さんとマッチングをさせていただきました。この後、まず企業さんの提案に耳を傾けまして、できるだけ提案を受け入れていく方法を模索しました。
松川町 松尾:提案内容は町との業務連携が主であったんですけれども、町としては一番のハードルである予算確保について検討しました。これは一応デジ田(※デジタル田園都市構想交付金)の活用を検討しております。
予算の確保次第となってしまうんですけれども、今回のマッチングをした企業さんとは短期長期のアクションかは未定ではあるものの、次に進めていきたいと思っております。
松川町 松尾:(各企業さんの)提案は掲示したテーマがピンポイントではなかったので、多岐にあたりました。これは私の担当だけではなく、役場の他の担当とも連携をして、協議を進めています。
1から6までご覧の通り(下記画像)で提案をいただいてるんですけれども、松川町商工会さんから、町の役場のまちづくり担当、観光担当、農業振興担当などとも話を進めております。
松川町 松尾:繋がることで感じたメリットは、行政にはない視点や行政でできない提案を受けることができました。そして関わりを持った各担当、とにかく提案に”ワクワク”しています。多様な事業を町に取り込むことで、事業に関わる町民にも新しい視点や考え方が波及すると思いました。
既に事業を実施している他の自治体さんとも繋がることができました。
松川町 松尾:最後になりますけれども、応募した感想としては、町の課題解決のために日本中、世界中の企業様と繋がることができる場であると感じました。実際、私はチャレンジナガノに応募するまでは、「どこでどう繋がったらいいのか」と困っていたところです。
ぜひ、チャレンジナガノ事業は、これからも継続して行っていただきたいと思っております。
Publink 栫井:ありがとうございました。これでパートナー枠の市町村全てになります。パートナー枠では、ハンズオン支援は行っていないのですが、要所でサポートさせていただきながら、市町村と企業で自律的に進めていただいて、本当に事務局としても嬉しく思います。
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