【和光市】タブレットを活用した、「ボードゲーム」による子どもの可能性を拡げるキャリア教育|内閣府OIC2021 #6

複雑化、多様化する官公庁及び地方自治体が持つ「課題」。その課題を研究開発型のスタートアップ・中小企業の斬新なアイデアと繋げるのが『内閣府オープンイノベーションチャレンジ2021(略称:内閣府OIC2021)』だ。

その成果発表のためのDEMODAYが、2022年2月22日に行われた。これから日本を変えていくかもしれない行政✕スタートアップ・中小企業の取組を特集していく。

小中学生に一人一台配布されたタブレットをどう活用するか?

和光市役所政策課 山本氏(以下、山本):和光市役所政策課の山本と申します。今回のオープンイノベーションチャレンジの取組の取りまとめを担当しております。

山本全部の小中学校に、一人一台のタブレットを配備しており、「これを何とか楽しく活用できないだろうかということで始まった遭遇設計さんとの取組について、発表させていただきます。

紆余曲折はあって、当初の形には至らなかったところもあるんですけれども、実際の学校現場でしっかりと取り組めたというところと、今後タブレットを活用していくっていった場合における課題も整理できたということで、非常に有意義なオープンイノベーションチャレンジになったと考えております。

子どもの可能性を拡げる、キャリア教育への取組

株式会社遭遇設計 廣瀬氏(以下、廣瀬):ご紹介に預かりました遭遇設計の廣瀬と申します。

廣瀬:和光市さんのプロジェクトの前提は、タブレットを使いたい、キャリア教育をしたい、あと、それからデータを取りたいということです。

廣瀬:我々遭遇設計は、主に企業研修として、ビジネス用のボードゲームというものを開発し、その研修を企業に提供したり、東京大学さんと一緒に研究開発をしたりしております。

これまで開発したゲームをオンライン、タブレットで出来るシステムを持っておりまして、こちらを使ってキャリア教育として企業研修で実際に行なっているものをやりましょうと。

廣瀬:そこから非認知能力の可視化や育成を行おうということを考えて、定期的に実施するようなプランを立てたのですが、新型コロナウイルスの影響もあり、運動会、文化祭などのイベントが、予定がずれてしまい、一旦全ての計画を白紙にして、各学校さんへ小中校、一校ずつ一回だけさせて実施させて頂く形にしました。

廣瀬:北原小学校さんでは、私が講師になって2クラスに。第三中学校さんでは、普段の先生たち、担任の先生たちが実施をするという形で行いました。実際に行ったゲームはヒーローインタビューというゲームになります。インタビューをされる側とインタビューをする記者側に分かれて、いい感じのインタビューができると勝てるというゲームになっております。

廣瀬:その最中に実際に「あなたのインタビュー、こんなふうに感じたぜ」というヒントを出すことが出来て、「なんか受け入れられた、いい感じがしました、新しい発見がありました」というようなカードを出すことが出来る。

これにより、コミュニケーションの中でどう感じたか可視化できます。可視化された内容をもとに相手に合わせて話を聞いていくという訓練ができるゲームとなっております。

どのカードをもらったかによって、話を聞く態度が出来ているのか、深掘りができているのか、ということも可視化できるような仕組みになっております。

中学校では、中学3年生は思春期だということもあって、自己開示が難しいんじゃないかと、少し我々のゲームをカスタマイズして、著名人のつもりでインタビューを受けなさいという風にカスタムして頂きました。

廣瀬:一週間ぐらいでいきなり作って頂いたのですが、自分たちのクラスの事情に合わせてカスタム出来たっていうのは、すごい面白かったなあと思っております。

アンケート調査もしまして、だいたい十点満点で7点以上が6割を超えています

廣瀬:能力が向上したと答えていただいた人が84%、「タブレットと紙製とどっちが良い?」と聞いたところ、タブレットの方が二倍いらっしゃるんですけど、ほとんどの人たちは今回紙製しかやってない、よう分からんという形で、どちらでもいいんだろうというのが多い状況です。満足度と「次回以降もやりたいか」は、およそ相関しています。

満足度10点付けた人が、「今後もやりたい」という評価をしていただいてます。テキストマイニングで良かった点と悪かった点を表示しています。

廣瀬:良かった点に関しては、「質問できた、相手と話せた」といったところを取り上げていて、逆に改善点の方が「何々なかった、できなかった」みたいな、ノットの言葉が出てきます。

もう少し詳細に見ると、「学べた、話ができた」というのが42人。「質問がうまくできなかった」という方が27人いらっしゃいました。

このゲームでは、コミュニケーション能力を発揮しなければいけないので、「発揮できた、発揮できなかった」が、ご当人たちにもご理解頂けたということになります。

クラス別に、NPS(Net Promoter Score)として分析しました。小学校のクラスは相当高い数字が出てまして、NPSのスコアはマイナスから始まって、0ぐらいまでが最高点っていう形が多いので、+30はかなり高い数字です。

廣瀬:先生たち、中学校の先生たちが初めてやった場合だと、-15、-15、-48、0という風になっています。

マイナスが高いのは、先ほどカスタマイズされた先生のところで、初めてなので、しょうがないだろうと思います。でも、初めてやった先生たちでも、このスコアはかなり高い数字が出ているので、学校現場の先生たちが使う分にも過不足無いのかなと思っています。慣れていただければ充分成果を出すことができると思っています。

今回の結果から、学習内容のまとめと改善点なんですけれども、研修ゲームは学校現場にも通用すると感じております。特に小学校に関しては、普通の企業研修よりも速く進んだので、むしろ小学生の方が向いてるかもしれません。

評価が可視化できる。また、この内容から改善できるということも分かったのが良かったなと。

ただキャリアにこれがどう活きるかは、コミュニケーションを取るといったキャリアがどういうものか、学生達は分からないので、ゲームだけだと分からない。

そこを合わせて、話を聞く職業の方をお見せしたりする必要があるんだろうなと思いました。私も行って初めて気づいたのですが、緘黙症など、ほとんど言葉を喋れないという学生さんがいたりして、その方々と先生たちが普段どう付き合っていくかは、これは確認すべきだったなと。

そういう事前確認すべきポイントなども、今回見えてきました。

廣瀬:あと、先生たちは非常に忙しいので、彼らの負担を下げるようなゲーム部分の説明は動画にしてしまうなど、そういったことが必要と考えております。今後に関しては、できれば続けていきたいと頂いていて、コロナの様子を見ながら、今回できなかった連続実施をしたいと考えています。

廣瀬:埼玉県さんでもデータをたくさん取られて、内閣府さんでも探求の学びの新たな評価手法の開発が必要とおっしゃってられていて、そうしたところも連携できればと思っております。

司会:ありがとうございました。審査員の方からコメントを頂けますでしょうか。

キャリア教育の発展形への期待

株式会社ウィズグループ代表取締役 奥田氏(以下、奥田):中間のメンタリングもさせて頂きました奥田です。

奥田:今の発表の中で沢山の示唆があったと思いながら聞いていたんですけれども、一番大きな意味は、キャリア教育は、「職業を選ぶ」、「職業を知る」というだけでなく、個人個人の子供たちの中にある資質の何にワクワクするか、何を面白がれる力があるかというところと、ものすごく結び付けられる仕組みだと感じながら聞いていました。

特にヒーローとある通り、ある意味自分以外の人であっても、「どういう人をロールモデルとして答えていくか?」みたいな事に紐づけていくと、そもそも自分がどういう人に対して憧れて、そしてどういう立場になりたいかから、数年先には(存在する)職業もどんどん切り替わっていくので、今ある中から探さなくてもいいということが、すごくよく分か

りました。

あと、タブレットによって、先生たちの限られている時間で、現在40人しか受け持てないのが、100人だったり、1000人だったり、一緒に受けることも可能になるのかなって。

先生の時間は本当に限られていて、部活すら削られていく時代に、キャリア教育の発展形を何か作れるんじゃないかということを私は感じ取りました。

司会:それでは最後になりますが、既存の公共交通機関が対応しきれない道路が狭いエリアにおける交通ニーズを満たす手法をテーマにした和光市とモピの取組でございます。

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(デザイン・編集:深山 周作)

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