長野県が主催し(運営事務局:株式会社Publink)、県内市町村が抱える地域課題を、多様な企業とのオープンイノベーションによって解決する取り組みが「チャレンジナガノ2.0」である。
本事業は、2021年度に開始された「おためし立地・チャレンジナガノ」の後継として実施されており、令和3年度から令和6年度までの累計で、延べ240の企業・団体から594件の提案が寄せられ、288件のマッチングが成立している。すでに、地場産品のマーケティング支援、公共交通の改善、六次産業化の推進など、多くのプロジェクトが具体化している。
その実績は全国的にも注目されており、内閣府主催の「地方創生テレワーク推進セミナー」など、複数の団体から講演依頼を受けるなど、先進的な事例として高い評価を得ている。
▶ 地方創生テレワーク推進セミナー(内閣府)https://www.chisou.go.jp/chitele/r5seminar_1005/index.html
本記事では、2025年2月28日に開催された『チャレンジナガノ 2024 DEMODAY』の様子をレポートする。

『チャレンジナガノ』とは?
本事業は、「地域の課題・資源」と「企業の技術・ソリューション・アイディア」が結びつき、魅力あるビジネス創出と地域共創を推進しながら、最終的には企業立地にまで繋げることを目的としている。

具体的な事業スキームは次の図の通りである。長野県と受託事業者である株式会社Publinkが協力しながら、市町村の課題の磨き上げを行った後、マッチング支援や、事業推進・プロジェクト化の支援を行っている。

チャレンジナガノは、官民共創における「そもそも官民共創のきっかけがない」「テーマにあった熱意のある自治体職員に出会えない」「マッチングしてもビジネスとしてなかなか成立しない」というような課題を解決するために生まれたプロジェクトである。これらの課題を解決し、官民共創を推進していくために、チャレンジナガノは下記の点にこだわりながら事業を行っている。

『チャレンジナガノ』の成果
第4期目チャレンジナガノのこれまでの成果は下記の通りである。

また、様々な企業から提案があり、県内外の企業や、大企業からの応募も集めている。

チャレンジナガノ 2024 DEMODDAYの様子
チャレンジナガノ 2024 DEMODAYで発表された各プロジェクトについて、5つの記事に分けて、発表内容を詳細なレポートにしているので、ぜひご覧頂きたい。
自治体と事業者の熱量、それぞれのストーリーから、”要点を知っただけ”では感じられない、官民共創の重要なコンテキストが見えてくると思う。
- 【南木曽町】南木曽駅前の空き家・空き店舗の活用による地域活性化と観光振興
- 【上伊那広域連合】官民連携による、若者に選ばれる上伊那を目指して
- 【上田市】上田市の日本遺産を活用した地域活性化
- 【泰阜村】風水薫るときめきの郷「農」のある暮らし「たまにはぼーっとのんびりと」
- 【飯島町】自然や農業を活かした滞在型観光や移住定住の促進
- 【佐久穂町】「地域の安心につながる防災情報伝達システムの構築」と「地域コミュニティ維持・住民の健康維持のための交通システムの変革」
- 【千曲市】千曲市に安心と賑わいをもたらす地域防災拠点・道の駅プロジェクト
- 【駒ケ根市】:持続性のある公共交通
- 【立科町】住民が活躍する中山間自治体の新しい働き方実現プロジェクト
- 【飯田市】地域外の人材ネットワーク形成と地域の内発的な活動のつながりづくり
- 【飯田市】リニアのポテンシャルを活かした企業誘致、産業支援、若者に選ばれるまちづくり
- 【飯田市・根羽村】南信州の里山を守る竹林整備及び竹資源活用商品の開発
- 【辰野町】”会ってほしい”ヒト”がいっぱいいます!~ヒトの魅力が伝わるパッケージツアーを作りたい~
令和7年度以降のチャレンジナガノについて
令和7年度も、チャレンジナガノは実施予定であり、下記のスケジュールを予定している。
今後ますます取り組みをパワーアップさせていく予定とのことで、より多くの市町村、企業に参加いただきたい。

