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複雑化、多様化する官公庁及び地方自治体が持つ「課題」。その課題を研究開発型のスタートアップ・中小企業の斬新なアイデアと繋げるのが『内閣府オープンイノベーションチャレンジ2021(略称:内閣府OIC2021)』だ。
その成果発表のためのDEMODAYが、2022年2月22日に行われた。これから日本を変えていくかもしれない行政✕スタートアップ・中小企業の取組を特集していく。
自治体とスタートアップ企業で未来をつくるには。
司会:それでは本日最後のセッションであるパネルディスカッションに移らせていただきます。「自治体とスタートアップ企業で未来をつくるには」をテーマと致しまして、内閣府宇田川企画官、経済産業省新規事業創造推進室石井室長、デロイトトーマツベンチャーサポート株式会社代表取締役社長齋藤様、東京大学馬田様にご登壇いただきます。
ここからは、石井様にファシリテーターをお願いしたいと思います。
経済産業省新規事業創造推進室 室長石井氏(以下、石井):皆さんこんにちは。本日はオープンイノベーションチャレンジDEMODAYでのパネルディスカッションとして、「自治体とスタートアップ企業で未来をつくるには」ということでお話をお伺いしていきたいと思います。
まず、斎藤さんから自己紹介をお願いします。
デロイトトーマツベンチャーサポート株式会社代表取締役社長 齋藤氏(以下、齋藤):デロイトトーマツベンチャーサポートの斎藤でございます。我々は、全国23拠点ぐらいのベンチャー支援をやらせていただいてまして、今日の文脈で言いますと、様々な自治体の皆様と一緒にベンチャー支援をご一緒させていただいています。
石井:はい、ありがとうございます。馬田先生、お願いします。
東京大学FoundXディレクター馬田氏(以下、馬田):東京大学でスタートアップの支援、並びにアントレプレナーシップ教育をしております馬田と申します。
普段は、スタートアップの皆さんの支援、特に超アーリーなフェーズの支援や、個人的にスマートシティのプロジェクトにも関わっておりまして、そのスマートシティという観点でも、今日はお話しできればと思っています。
あとは「未来を実装する」という本を最近書いて、そこでもどのようにインパクトのある社会をつくっていくべきか、書かせていただいた次第です。
石井:「未来を実装する」。 ベストセラーになってますよね。それでは、宇田川企画官お願いします。
内閣府科学技術イノベーション推進事務局企画官 宇田川氏(以下宇田川):内閣府イノベーション推進担当の企画官をしております宇田川と申します。私ども科学技術イノベーション推進事務局の中で、イノベーション推進グループの担当になります。
イノベーション推進グループでは、スタートアップエコシステム拠点都市という、本日お集まりいただいている自治体の皆様にも多く参加いただいている取組。
また、昨年度6月から日本版SBIR制度の法律改正及び閣議決定など、新しい制度を動かしておりまして、こうした施策推進の観点から本日はコメントをさせて頂ければありがたいと思っております。
石井:はい、ありがとうございます。丁度今、スタートアップ創出元年ということで岸田総理から「今年スタートアップをさらに支援を強化する」といった話があって、SBIRの話もありましたけれども、内閣官房、それから、文科省、それから経産省、色々な省庁がスタートアップ支援をしていく動きが起こっているということです。
その中でも、今日のテーマであるオープンイノベーションは凄く大きなテーマだと思っていて、自治体、あるいは大学、あるいは大企業とスタートアップが連携しながら、新しい価値を創造する。社会課題のソリューションを提供していく。
こういったことを、いかに推進するか。
大きな課題になっていると思います。
今日のDEMO DAYで、海岸漂着物の対策、獣害対策の技術、それからキャリア教育コンテンツ、産後うつ、公共交通が対応しきれない交通ニーズへの対応等々のピッチがありましたが、このピッチの感想をお聞かせいただければと思います。
斉藤さん、いかがですか。
オープンかクローズというのは、ゼロイチではない
斎藤:思ったのは、行政課題をうまく解決できるようなベンチャーの方々って多くいらっしゃるなと改めて思いました。
是非、今回は比較的期間も短かったと思うので、これをきっかけに実装できるようなプロジェクトというのが増えていくと、さらに素晴らしいんじゃないかなと思いました。
石井:斎藤さんは、モーニングピッチを毎週やっていらっしゃいますけど、そこに出てくる企業で、自治体と連携しそうなところはありますか。
斎藤:そうですね。本日発表されている会社さんも何社かありましたし、そうした橋渡しをしていけたらと思っています。
石井:行政というと少しハードルが高いかもしれないんですけど、上手くプレイヤー同士が繋がることが出来ればいいですね。
馬田先生、いかがですか。
馬田:そうですね。本当に皆さんの発表、すごく刺激的で、私も学ばせていただきました。
オープンかクローズというのは、ゼロイチではなく、本当に徐々に開いていくものだと思うので、こうしたオープンイノベーションの取組がどんどん進んでいくと、もっと行政、あるいはスタートアップの方もオープンになって、コラボレーションが進んでいくんじゃないかと期待をしたところです。
その上でここがスタートだと思うので、ここを皮切りに色々とやっていけるといいのかなと思ってます。
三点ほど私が感じたところから、お話させていただきます。
一つ目、行政の皆様が実験環境をちゃんと用意していただいて、凄く協力的なのが素晴らしいと思いました。こうした環境が増えてくると、きっと新しいチャレンジをする人も増えてきて、各自治体だけではなく、日本全国、色んなところから挑戦者が増えていくんじゃないかなと思っています。
一方で、挑戦者の皆様。今回だと、民間の企業の皆様に関しても、仮説検証をきちんと回していくというスタイルをやっておられているところが多くて、非常に見本になる、素晴らしい態度だと思っております。
その上で、より良くしていく上で、幾つかポイントがあると思っています。
それが残り二点です。
まず、課題から始まっているのが、凄くいいと思っています。ただ、今回行政の課題と言われますが、『行政の課題=そのコミュニティの課題、市民の課題』でもあるはずで、実際に発表の中で市民の皆さんの声が入っているスライドもありましたけれども、実証実験を通して、「良くなりました」という市民の声が入っていると、より推進する側としてのやる気も出てくると思いますし、今回の取組の意義も非常に分かりやすくなるんじゃないかなと思ってます。
馬田:なので、個人的にも市民の皆さんの声を聞いてみたいと思ったのが一点。
そして、もう一点が「チャレンジ」と銘打たれているように、挑戦なので、失敗してもいいと思っていて、成功したか失敗したかではなく、本当にチャレンジしたかという観点で、取組を評価するといいのかなと個人的に思っています。
いろんなチャレンジが、今回あったと思うんですけれども、もう一つチャレンジしてほしいのが、もっと大きなストーリーを描いてみてもいいのかなと思っています。
例えば、「今回の取組がうまくいけば、本当に世界を変えるかもしれない」というところまで、可能性が1%もないかもしれませんけれども、そうした「これが本当に上手くいったら日本全国だけではなくて、世界に通用するようなソリューションである」とか、そういうストーリーを描けると、より色んな人たちを巻き込んで、より大きな取組になっていくのかなと思った次第です。
石井:確かに市民の声というのがもっと伝わると、ビビットですし、ストーリーも描きやすいですよね。チャレンジするところから大きなストーリーを描いていく。
それとチャレンジすること自体の評価も。
馬田:最初、ちっちゃなところから始まると思うので、徐々に徐々に、大きくしていくものかなと思います。
皆さん失敗も今回幾つか報告されてますが、凄い良いと思っていて、失敗は失敗として認めて、次にこうしていきますというのは素晴らしい姿勢だと思っています。
石井:そうですね。チャレンジしないでやり過ごすこともできるわけですよね。特に自治体の場合は。
だけど、あえてリスクを取ってチャレンジする。失敗することもあるけれどもチャレンジする。
そういうところで、このオープンイノベーションチャレンジにご参加いただいていることは、本当に素晴らしいと思います。
宇田川さん、どうですか。
宇田川:まず、一番感謝したいのが、課題を提案された自治体の皆様が、定期的にスタートアップの方と意見交換しながら、実証の場の提供、実証方法のアイディアなどの提示なども頂きまして、本当に感謝申し上げます。
2023年度の新SBIR制度の公募も6月ごろから開始
宇田川:スタートアップの方々の目線に立った協力関係というのは、自治体の皆様の熱意あってこそのものだと思います。
今回、これだけの成果発表に辿り着けましたのは、自治体の皆様、スタートアップの皆様のおかげだと考えておりますので、大変感謝したいと思います。
本年度のオープンイノベーションチャレンジの中で私どもは警察庁の課題なども、掘り下げていったのですが、残念ながらマッチングしていない部分が正直ございました。ただ、そういった国全体の課題につきましては、冒頭、申し上げました新SBIR制度の中で国の課題を各省庁の担当原課から抽出をして、テーマの粒度を確定させていく作業をしているところであります。
こちらの新SBIR制度の公募自体は、政府予算の関係で年度明けの6月ごろから国の課題を提示した上で、テーマアップさせて頂くことになると思いますけれども、スタートアップの皆様、今回のチャレンジに限らず、来年度のSBIR制度の国課題等々に対応したチャレンジも、是非お願いできればと思います。
石井:SBIRでも、本当に関わっている各省庁も本気度が増して、課題設定、それに対して応募してくださる方を待っています。是非、オープンイノベーションチャレンジの動きと連携したいですね。
それでは、「スタートアップと自治体で未来を創る」というテーマについて、意見交換したいと思っています。
馬田先生の方から先ほどの「コミュニティの声を聞くべきだ」、「大きなストーリーを描くべきだ」というお話がありましたけれども、それを分解して、行政サイドで何をするのが良いのか、あとスタートアップサイドはどういう取組の仕方が良いのか、もう少し掘り下げてお話を伺いたいです。
まず、行政サイド。課題設定等も難しいと思うんですけれども、行政官として、チャレンジをする時に留意すべきところはどこか。
好事例も含めて、教えていただければと思うんですけれども、馬田先生お願いします。
いかに行政のアジリティを上げていくのか。
馬田:行政サイドに関しては本当に難しいかじ取りを求められていると思っています。
特に、スタートアップ創出元年でありつつ、デジタル田園都市構想も走りつつ、カーボンニュートラルに向けて、わずか30年しかない中で、非常に大きな産業の転換をしていかなければいけない。
その最先端に居るのは多分基礎自治体の皆様であると思っています。市民の生活も変わっていくと思いますし、課題も変わっていく。そこをやっぱり素早く追いつくアジリティが、非常に大事になってくると思っていますね。
いかに行政のアジリティを上げていくのか。
Govtech等を駆使して、テクノロジーで解決していくのかも重要でしょう。それに加えて、行政のあり方として、これまで計画と執行さえ上手く行けば、評価されていたところから、アウトカム評価のように、例えば「鳥が減ったから、これぐらい民間企業に補助金を出します」といった成果に対する報酬制度を、広めていくと、アジリティを上げて、挑戦していけるのかなと思っています。
ソーシャル・インパクト・ボンドみたいな仕組みもありますがそういう仕組みを入れていくとアジリティが高まっていく。ただ、アウトカムを計測する為には、デジタルをうまく活用する必要があって、計測できるようにしていくことをベースとして評価制度を変えて方法があると思います。
石井:アジリティは大事ですよね。特にスタートアップの場合は、本当に日々お金を燃やしながら勝負しているわけですから、行政がアジリティを持って対応する必要がある。
難しいと思うんですけど、どうやったらアジリティは上がると思いますか。
馬田:デジタルを活用するのが、一つの方法かなと。
前橋市は、ソーシャル・インパクト・ボンドで歩行者の交通量を測定しています。それが出来たのは、2015年、2016年からEBPMの基盤を東京大学と一緒に作るといった取組があり、デジタルデータの基盤があるから、そうした取組が出来るわけです。
デジタルを活用できるように、行政の皆さんのパソコンのスペックを上げる等も進めていくべきだと個人的に思います。
石井:デジタルを活用する場合、トップが「やるぞ」と腹落ちした形で動き出すと、仕組みもできるし、アジリティも出てくると思うんですけど、トップを説得するためには、データがないといけない、、そこのところ、なかなか難しいですよね。
それとアウトカムの測定も悩ましいところがありますよね。因果関係の見極めなど。
そういったところでも、EBPM、あるいはPDCAを回す標準的な事例が出てくると、いいかもしれないですね。オープンイノベーションチャレンジ自体が横展開をしていく中で、評価、効果測定を、もう少し工夫して、互いに学ぶことができればいいかと思った次第です。
行政官のマインドセットを促す仕組みづくり
斎藤:大きくはマインド、スキル、ネットワークの話があって、この三つを行政の方が身につけられるような仕組みは大事かなと思っていて、例えば我々で言うと、毎年何人か各自治体の方々を出向で受け入れて、1~2年で戻って、自治体でベンチャー政策をやっていただく取組を、10年近くやっています。
今日もたまたまプレゼンターにOBの方がいたんですけれども、そういったところで一年でも経験していると、優秀な自治体の職員の方も多いので、 マインド、スピード感、スキル、どこに気を付けてベンチャーと組めばいいかとか分かってくる。
そういった方が、一つのロールモデルとなって、全国の様々な自治体で、育成できるような仕組みができるといいんじゃないかなと思いますね。
石井:行政官のマインドセットは、本当に大事ですよね。
私の所属する経済産業省、それ以外にも内閣府でも、基礎自治体から出向で来ていただいている方が、たくさんいらっしゃるんですけれども、一緒に働いてみるとベースのスキルが凄い高いんですよ。
首長の仕事かもしれませんが、そのマインドセットをいかにセッティングするか、それから方向性をいかに作っていくかはすごい大事だなと。
斎藤:仕組みで数年間、何人といった形で受け入れていくと、イノベーティブな自治体じゃなくても続いているので、1度目標を決めてやっていければ、ルーティンで済むので取り入れやすそうですね。
石井:組織の中において、一定の人数がその動きをし始めると、全体が変わってくるっていうやつかもしれない。
斎藤:まさにそうだと思います。
石井:そうした動きが、もっと広がって欲しいと思います。
逆に、スタートアップ側は行政との付き合いで、どういった点を留意すればいいんでしょうか。
馬田:一つ目が地方の課題を解決する時にスタートアップという形態が本当にいいのかどうかは一度考えるべきかと思っています。すべての課題に対して、スタートアップがベストな選択肢とは限らないと思うからです。
地元に張り付いて、地元の環境を良くしていくことに燃えるのであれば、スタートアップではなくて、それこそ半官半民ぐらいの地元に根付く企業という形も、尊いあり方として。考えていくべきかなと思っています。
ただ、それでもスタートアップが取組む場合は、「大きな絵を描くか」が大事かなと思っています。スタートアップが、その絵を描いたあとは、自分たちが組むのに良い自治体を見つけて終わりな感じがしていて、動きが早い自治体もあれば、そうじゃない自治体もあって、同じ課題を持ってても、首長の存在によっても、あるいは行政官の誰がいるかによっても全然進み方が違うというのを、スマートシティの調査をして思うところですね。
石井:良い自治体、良い担当者、良い首長を見つけましょう。そういうふうに繋がってくるんでしょうね。
馬田:首長だけが良い自治体だと、下が動かない。その両方揃っているところ、あるいは民間企業が強い市とか、大学が強い市とか、本当に自治体によって全然パワーバランス、物事のガバナンス、決まり、物事の決め方が違うので、その中で自分たちに合った、動きの早い自治体をスタートアップも選んで行けば、自治体同士の競争にもなってくると思うので、本当にスタートアップにとって良い環境がどんどん生まれてくることになると。
石井:スタートアップの場合、時間との勝負だと思うので、最初のパートナーは凄い大事ですよね。
パートナーを探すには、オープンイノベーションチャレンジや神戸市から始まっているUrban Innovation JAPAN。あるいは東京都が宮坂副知事のもと、UPGRADE with TOKYOを始めたり、福岡市も高島市長のもとに様々な挑戦をしていますが、そうした取組が活用できそうですね。
横展開していくというところも大事かもしれないですね。去年のオープンイノベーションチャレンジに出てくださったレトリバさんなどもそうですが、どんどん自治体、自治体に繋げていくことで素早く横展開したりするので、そういった動きが出てくると良いかなと思いますね。
斎藤:大きな目で言うと、行政が抱えている課題解決に、ぴったりとハマるスタートアップは全体としては少ないと思っています。どうしても都市、東京にスタートアップが多いですが、地方の課題を解決するスタートアップを全体の総量として、もっと増やしていく必要があるかなと。
その上で、スタートアップ側が行政の課題、考え、ネットワーク、発注の仕組みも含めて詳しいベンチャーは、まだ少ないと思うんですね。官民の人材流動がもう少し必要なのかもしれません。
石井:なるほど、確かにそうですよね。そこは行政のビヘイビアが、ある程度分かる人がいた方がいいかもしれないですね。
仰るように人材の流動性みたいな形があるかもしれない。
でも、斎藤さんのところも行政との付き合いが長いので、行政のビヘイビアを分かる人も増えてきてるんじゃないでしょうか。
斎藤:そうですね。
一定規模のスタートアップになってくると、行政に詳しい人がひとりいるぐらいの会社が増えてますよね。
石井:さっき話が出た課題とソリューションがビシッとあってないケースもあるというところで、行政側も含めて課題を調整するとか、スタートアップ側も自分が持っているソリューションを少し行政に歩み寄るようにするとか、メンターを間に挟んで調整するとか。。。そういったやり方もあるのかなと思っております。
いずれにせよ、オープンイノベーションチャレンジがどんどん広がって、横展開、成功例が増えて、真似る自治体が増えていく。
行政の場合、上手い事例をパクっても全然大丈夫ですので、どんどん横展開していく。そうなってほしいですね。
では、最後に一言ずつ、各パネラーから頂きたいと思います。
斎藤:総理がスタートアップということをここまで強く言われている政権は、初めてだと思うので、この取組も含めて非常にスタートアップ、自治体としてもチャンスが来ていると思います。
是非これを活かして、成功するような事例を一緒に生み出していければと思います。
馬田:オープンはゼロイチではないと思っているので、これからもっとよりオープンにしていく活動ができるんじゃないかなと思っています。
課題をオープンにすることは別に恥ずかしいことじゃないと思いますし、問題解決に頑張ろうとしている意志だと思うので、そういうところも含めてオープンにしていくことが増えていくといいのかなと思っています。
なので、行政はそうした形で提案したり、民間は逆に「こういう課題があるんじゃないですか」と提案をしていく、お互いにオープンになっていくのが非常に大事です。
そうした一つのきっかけが、今回のオープンイノベーションチャレンジで、ここで歩みを止めずにどんどん取組をしていき、課題を解決していくのは、社会の貢献にもなりますし、楽しいことだと思うので、そうした取組が今後増えてくると期待しております。
宇田川:スタートアップ支援に対する政府の姿勢は、相当盛り上がってきているところであります。
ここで重要なのは、今回ご発表いただいたような素晴らしい成果を、どんどん情報発信をして頂くことで、必ずスタートアップの皆様の技術力、開発力に目を向ける資金供給者も出てくると思います。
是非、こうした場を活用頂きながら、引き続き情報発信をお願いできればと思います。
司会:それでは最後に閉会にあたりまして内閣府科学技術・イノベーション推進事務局覺道審議官よりご挨拶を申し上げます。
日本の「スタートアップ創出元年」を目指して。
内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官 覺道氏(以下、覺道):本日は大変お忙しい中、ご参加をいただきまして、心より感謝申し上げます。
覺道:現在の岸田政権におきましては、その成長の一つの大きな柱としてスタートアップの支援というのを大きな政策として打ち出していこうとしております。イノベーションを進めていく上で、スタートアップの力はやはり欠かせないと思いますし、それを社会実装を実際にしていくという中で、こうしたオープンイノベーションは非常に有効なんじゃないかと考えております。
自治体、あるいはその市民の方は、現場の課題を抱えておられると思います。他方でスタートアップの方は、それに対するソリューション、技術、知恵をお持ちだと思います。
それが結びあうことで、いろんな形で課題の解決になり、それがイノベーションに繋がっていく。このオープンイノベーションのこのスタイルが、是非より広く普及をしていくことが、日本の成長自体にも繋がり、課題先進国と言われる日本でも、そうした課題の解決にも繋がっていくと考えております。
また、市民の方が、実際に課題提供、あるいは声を届けるような形で参画をしていく。あるいはスタートアップの方が失敗を恐れずにチャレンジをしていく。また、それを良い意味で許容していく行政、あるいは社会のあり方も非常に重要だと思います。
行政のアジリティも、これから非常に問われてくる。
そうした示唆に富んだパネルディスカッションをお聞きすることができたと思っております。また、本日ご発表いただいた三つの認定チームの取組、いずれもさらなる展開が期待がされることだと思っております。
本日のDEMO DAYを一つの通過点として、引き続き取組んで頂けたらと考えています。
結びになりますけれども、政府では、新しいSBIR制度などを通じて、スタートアップ支援をしっかり進めていきたいと思いますし、これからさらに施策を練って、総理が掲げるスタートアップ創出元年に相応しい政策を展開していきたいというふうに考えておりますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
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・編集・ライティング・デザイン:深山 周作