【NEC 竹内氏】知財侵害品を高度化するデータレイク&AI技術の検討

クロス・インキュベーションプログラムとは、官民垣根なく集ったメンバーが新しい政策・事業立案を生み出すため、実践の入り口である第0セクターと、官民共創を推進する株式会社Publinkによる、共創プログラム。

プログラムでは、参加者同士で「知の探索」「個社ワーク」「個人ワーク」のサイクルを繰り返し、価値の創造、新規事業人材の育成を目指していく。

そこで立案された政策や事業について参加者から語られました。

※本記事は、原則全文書き起こしとなりますが、イベントや話者の意図が一層伝わるように、主催者の了承のもと、一部(事務連絡、言い淀み、繰り返しなど)編集を加えております。
※一部社外秘情報も含まれるため、発表の内容の一部のみご紹介しております。
※文中の話者の肩書は、イベント当時のものとなります。また、発言は個人の意見であり、所属する組織に帰属するものではありません。

とにかく新規事業をより精度高く成功させるための手法を知りたい

NEC 第一官公ソリューション事業部 竹内 花織 氏(以下、竹内):私は、NECの第一官公ソリューション事業部という部署の竹内花織と申します。

普段、財務省や税関に向けた新規提案を担当している営業になります。

例えば、X線画像に映っているものをAIで画像識別して、検査対象かどうかを自動選別したり、、、といったソリューションです。

あとはダークウェブ情報を用いた捜査を支援する仕組みや、そのほか先端技術を使って、いろいろと提案をさせていただいております。

本研修に参加する前は、もうとにかく新規事業をより精度高く成功させるための手法を知りたいと思っていました。普段、新規事業の開発に関わっているのですが、なかなか社内外の協力を得られなかったり、形にできなかったことがあって。。。モヤモヤとにかく手探りで進めていました。

竹内:そこに対して解が欲しかったというのが何より強いです。

このプログラムを通して、結果としてこの目標を達成できたと思ってます。新規事業について、全体像のレクチャーだったり、壁打ちをたくさんしていただいて、かなり道筋がはっきりしてきたと考えております。

具体的に私が取り組んだテーマは、高度な知財侵害品対策を実現するものになります。私は税関の担当営業として、何の提案をしたら税関の役に立つかということを日々、ずっと考えながら仕事をしています。

竹内:この知財侵害品は、取り組まなければいけないテーマだと強く感じております。

なぜかと言いますと、知財品侵害品が日本に入ってくると、産業に影響を与えますし、消費者も害を受けます。しっかり取り締まらなければいけない。

さらに最近、ECサイト等々で個人取引が増えていますので、件数が増えたり、法改正されたり、とにかく水際取締の負担が増加しています。こういったところで今、取り組むべきだと考えて、今回の研修ではこの2つの提案をさせていただきました。

知財侵害品を高度化するデータレイク&AI技術の検討

竹内:まず1つ目知財侵害品のデータレイク、分析基盤を作りましょうというところです。

今、関わる人たちは官公庁でも税関、特許庁、消費者庁。流通マーケットもAmazon、楽天、ヤフオク、メルカリ。あとはCOACHやCHANEL等のようなブランド商品。それと権利者ですね。

本当にたくさんの人たちがいるものの、全体を通じた情報交換は十分に行われていない。

なので、まずは皆さん、同じ情報交換の基盤を持って、そこに情報をためていき、偽物がどこから来て、どんなものが流行っていて、どうやって対策をしているのか。そういった基盤を作る。それによって過去の情報の推移だったり、リアルタイムの情報共有ができるのではないでしょうか。

さらにステップ2として、そこをAI分析し、今まで検知できなかった未知のものまで発見するという提案をさせていただきました。

ただ、これは皆さんに壁打ちをさせていただいたところ、なかなかハードルが高いという状態です。

まず直近の案として、ブランド品識別AIというものを提案させていただいております。

私は課題がどこにあるのか。何をしたら役に立つのか、といったところの深掘りから、この研修に取り組んでおり、壁打ちをしていただくなかで、「もうちょっと具体化した方がいいよ」など、そういったご意見をたくさん頂きました。

研修終了後にも自分のお客さんに対してヒアリングに行き、どんどん新しい情報を集めていて、「ここで困っている」「いや、ここじゃないよ」という意見をもらえたりして、課題がどんどん解像度が上がって、解決方法がいっぱいあると感じています。

先ほど発表した技術が本当に使えるのかどうか一緒に検討していただける方だったり、「実際に私はこの分野に取り組んでいるけど、ここはもっとこっちに強化した方がいいんじゃない」というご意見を一緒に壁打ちしていただける方など、もしいらっしゃれば、ぜひご協力いただければなと考えております。

竹内:今回の研修を通して、本当に今まで自分がモヤモヤしてやり方がわからなかったところに対して、先輩たちから「もうちょっとこうした方がいいよ」という具体的なアイディアをもらえたことが今回の研修の何よりの成果だと思っております。

こちらで発表を終了します。ありがとうございました。

株式会社Publink 代表取締役 栫井 誠一郎 氏(以下、栫井):竹内さんは最初に持ち込もうと思っていたテーマからピボットして、ゼロイチの企画をどんどん洗練させていきました。

さらに、このプログラムのユニークなところとして、竹内さんの場合は特許庁のような規制官庁にお繋ぎして、がっつり壁打ちをしたり、良い関係を築いて、どんどん洗練していただきました。

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・記事協力:第0セクター
・ライティング・編集・デザイン:深山