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クロス・インキュベーションプログラムとは、官民垣根なく集ったメンバーが新しい政策・事業立案を生み出すため、実践の入り口である第0セクターと、官民共創を推進する株式会社Publinkによる、共創プログラム。
プログラムでは、参加者同士で「知の探索」「個社ワーク」「個人ワーク」のサイクルを繰り返し、価値の創造、新規事業人材の育成を目指していく。
そこで立案された政策や事業について参加者から語られました。
企業に必要とされる官民連携できる越境人材を育てる
株式会社Publink 代表取締役 栫井 誠一郎 氏(以下、栫井):それでは、パネルディスカッションのパートに入っていきたいと思います。
ディスカッションに参加してもらうのは、企業側は竹中工務店の安藤さん、そしてNECの竹内さんですね。そして公務員側から笠井さん。
それと今回3人の参加者を派遣頂いた日建設計さんから執行役員でイノベーション推進を担当されている石川様。参加者を派遣した側としてのお立場で、ご発言、パネルディスカッションに入っていただきたいと思います。
ファシリテーターは私の方でさせていただきます。
栫井:3つのお題があります。
1つ目は、「今回のプログラムに何で参加したのか」。あるいは「何で人を派遣していただいたのか」というところから行きます。
栫井:おそらく自分たちの組織の中だけでやりきれないこととか、あるいは課題に感じられることがあって、それで派遣していただいた。あるいは参加いただいたのかなと思います。そういった動機や課題についてお話し下さい。
株式会社竹中工務店 技術研究所 主任研究員 安藤 邦明 氏(以下、安藤):会社側としての派遣理由は、新規事業を行える「ゼロから生み出す人材」と言うんですか。既存のものではなく、ゼロから生み出せる人材の確保を急務としていて、その中で私自身が派遣された理由は、ゼロから考えられる人として事業化してほしい、という熱い思いを受けてであったという経緯を聞いております。
栫井:ご自身として、もともとどう(新規事業創出について)悩まれましたか?
安藤:ぶっちゃけ言うと、悩むまで深掘りできていなかったというのが正直なところかなと思っております。
現業に近いような新規事業をやっていたんですけど、街の賑わいを活性化して、現業とはちょっと離れたところでデータを販売することをやろうとした時に、そもそも課題がどこにあるのか。
【竹中工務店 安藤氏】デジタル技術を活用し、まちの賑わいを創る「アーバンテック®」
そういったところを全然詰めきれていなかったなと思いまして。
それを今回のプログラムで講師に詰めていただいたことで、事業がさらにブラッシュアップされて、仲間がいるからこその根拠のない自信が生まれたなと思います。
栫井:安藤さんにとっても新しいチャレンジであり、会社にとってもおそらく新しいチャレンジというところで。そこをわれわれで力を合わせて、新しい価値を作っていきたいですね。
続いて竹内さん、参加された理由や感じられていた課題感を教えていただけますか。
NEC 第一官公ソリューション事業部 竹内 花織 氏(以下、竹内):この研修を紹介いただいた(社内の)人に「何でこの研修を持ってきてくださったんですか」という確認をすると、やはり会社として「官民連携できる越境人材が必要」ということでした。
竹内:社会課題解決をしなければいけない。でも、いいものを作るだけじゃなくて、官民を連携させて動かしていく必要がある、というようなご意見を頂きました。
私としては新規事業に関して、とにかくモヤモヤと困っていました。入社以来、ずっと新規事業をやっていたんですが、行き当たりばったり感がすごくて。。。
お客さんの反応を見て「次、何しよう、何しよう」と考えていて、効率的に先を見通しながらできたらいいのにな、という思いが非常にあり、この研修に手を上げて参加させていただきました。
栫井:ありがとうございます。
では、違う角度になると思うんですが、公務員として参加をされた笠井さんはいかがですか。
笠井 泰士 氏(以下、笠井):私が参加したのは、栫井さんに「面白い人たちがめっちゃいるから来てくださいよ」というお話を頂いたのがきっかけです。
※笠井さんは、公務員として地方と中央、行政や金融機関、民間企業のネットワーク形成を通じて地域の課題解決に取り組んでおり、本プログラムには個人として参加しております。
笠井:「面白い人たちがいるということ」と「いろんな企業の方々とお会いできること」。
今の仕事が地域の課題に対して皆さんとネットワークしながら解決につなげていくといったことに取り組んでいるので、新たなネットワークや知見、可能性を求めて参加したといったところです。
本当にいろんな皆さんから、お考えやネットワークをお繋ぎ頂き、本当に楽しいです。
栫井:公務員の立場からすると、いろんな人を探しに行くって大変なんですよね。なので、民間側からどんどん声を上げていただくことがすごく大事なのですが、本プログラムでは、そうした声を上げる人と笠井さんと繋がっていけたところが、お互いの本当にWin-Winだったのではないかなと思います。
では続きまして、日建設計の石川様から「なぜ、日建設計から3人も参加者を出していただけたのか」についてコメントを頂けますか。
株式会社日建設計 執行役員 石川 貴之 氏(以下、石川):日建設計の石川でございます。
日建設計では4〜5年前から社内で新規事業のアディアコンペをやっていて、現在10件ぐらいが動いています。
ただ、なかなかアクセラレートしないなと。
今年、「イノベーションデザイングループを立ち上げる」ということになり、施策予算もあったため、商品の段階で市場だとか、顧客だとか、建築設計のプロではない人の目から、自分たちの想いを見ていただくような場面がないかなと。そういうことに予算を使いたいなという想いがあり、ちょうど(運営の)吉備さんがこのプログラムを持ってきてくれました。
石川:(この第一期の前に行われた)第0期にうちで新規事業にトライアルをしている横瀬という人間が参加していました。彼は街づくりの専門家で、私も以前から彼を知っておりましたので、実際に参加した印象や成果をヒアリングしたんですね。
すると彼が考えていた、街づくりのなかでの新しいファンドづくりに対して、実際のフィールドがここから出る可能性があったり、色々アドバイスを頂いたり、彼自身にとっても非常に有益だったという話が聞けました。
私自身の経験のなかでも、中央官庁の人たちとの付き合いもありますので、彼らが持っている情報量やネットワーク、こちらから持ち込んだアイディアが壺にハマった時のパワーみたいなことを実感していたのもあって、そうした機会になればいいという想いからこのプログラムに飛びついた、というのが正直なところです。
そして、社内に公募をかけて十数名ぐらいが応募をしてくれ、内3名を本プログラムに送り出す形になりました。
本日、参加していた3名についてもテーマが社会課題であったり、場所が都市というフィールドであったり、ステークホルダーが官庁だったり、自治体だったり、本プログラムがそうしたプロジェクトに有用ではないかと思っていたので、送り出してよかったなと感じています。
ぜひ来年もそういう形で社内セレクションをして、初期の段階でネットワークなり、自分たちの思いを消化させるような取り組みができればと思っています。
栫井:石川様、ありがとうございます。めちゃめちゃ嬉しい言葉ですね。
恐らく、きょう聞かれている方々のなかでも、社内でアクセラプログラムや若手からの提案をやっている会社はたくさんあるのではないかなと思います。誰に聞いても、大体「ものになった事業はほとんどない」と仰る方が多いです。
そういった時に、ぜひ新しいものとして、本プログラムのような官と民の可能性に情報やネットワークだけではなく、行動にも結びついていく可能性が非常に高いという価値をぜひ感じていただけたら嬉しいです。
ちなみに、我々事務局も一緒になって、どういった人が官と民とやると効果が出やすいんだろうと、アドバイスさせていただいたりもしました。興味はあるけど、どのように本プログラムを活用しようかお悩みの方、企業は、ぜひご相談いただければと思います。
次のテーマに行きます。次の項目は「参加前後の変化で一番大きかったことは何か」。
個人・会社・社会課題を深堀し、行動に移す
安藤:はい。先ほども述べた「根拠のない自信」ですかね。
でも、それに根拠が生まれたのがこの研修だったのかなと思いました。その根拠を与えてくださったのは、4人の講師の方と仲間だったと思います。
もう1つ大きい変化だなと思ったのは、私は(研修前は)我が強くて、強く考えを押し通す人間かなと思っていたのですが、最後の定量評価のところで「もう少し強く行ってもいいんじゃない」という評価を頂きました。
まだまだ新規事業には、そういう強さが足りないんだなと。
これは栫井さんにも笑いながら言われたんですけど、そういう強さを私は必要としているんだなと思いましたし。そうした強さがあると今後も会社で社会課題を解決する時に、役立つ機会があるのかなと思いました。
その2点が大きく変わったのかなと思います。
栫井:笑いながら言ったかどうかはちょっと覚えていないですね(笑)。
安藤:笑いながらグサッと言われましたけど、すごくそれが効きましたよ(笑)
栫井:すみません(笑)
割と社内で話す時って、スマートに無難に話して、いかにアラを探されないかということを日々やりがちじゃないかと思うのですが、本気の新規事業、本気の政策を通したい時って、絶対に熱意を伴って「こいつだったら、まだアラがいくつかあるけど何とかやるだろう」と思わせるのはすごく大事だと思います。
今回、プログラムの中で中身をブラッシュアップするだけではなく、どうやって熱意を伴わせるかも、最大限にフィードバックして、お互いに切磋琢磨し合うことをやりました。
続いて、竹内さんですね。一番大きな変化は何でしたか?
竹内:先ほどの発表のなかでは「新規事業をやらなきゃ」という意識が高まったと発表させていただきました。そこについて今の安藤さんの発表を聞いて、私も別の視点からお伝えしています。
何が変わったかというと、自分の内省的な動機って何だろう、と考え直す大きな機会になりました。
栫井さんもおっしゃったんですけど、私も目の前の仕事でいかに成果を上げるか、目の前の人にどうやって喜んでもらうかにずっと重心を置いて考えてきたんですけど、(運営事務局の)横田さんにヒアリングしてもらって「何で竹内さんがそれをやりたいの。それを死んでもやりたいの」と言われた時に本当に雷に打たれたような衝撃を受けた瞬間でした。
それから日頃の業務をする時も「何で私がやるの。何で私がやらなきゃいけないの」というのを考えるきっかけになったのが、すごく大きな変化でこれからも大事にしていきたいポイントになっています。
栫井:すばらしいですね。
皆様も感じられていると思うんですけど、本当に新規事業、新規政策って、七転び八起きしないと絶対に成立しない。七回転んでも八回立ち上がるには、想いがないと絶対に無理というところです。
続いて、笠井さん。一番大きな変化は何でしたか?
我々から見ると、めちゃめちゃ変化があったんですけど、ご自身はどうですか。
笠井:そうですね。本当に自分を見つめ直すということを今までやったことがあまりないなと思っていて。自分のことを考えることがなくて。
一番大きかったのは、土曜日の夜21時〜23時まで、岡本さんに自分の深層心理を掘り下げてもらって、どんどん問いを頂いて、自分のことを考える。
そこで岡本さんから頂いたのは、私が話す話は9割ぐらいが周りの人の話だということを言われました。それが軸でいいんだなと思いました。
それで今日のテーマは関わる人を応援したいと。今の仕事も人や地域の幸せをまず軸に考えて議論をしている感じですね。
栫井:笠井さん、ありがとうございます。
皆様、ここまでの3人聞かれて「自分探しをしているのかな」という感想を持たれるかもしれないんですが、まず新しいものを通すための自身の動機と組織としてのミッションの”アンド”を取るところを我々は大事にしています。
かつ、自分探しで終わるのではなく、10箇所、20箇所とどんどんアポを取ったり、意見交換をしてさらに他の人につないでもらっているんですよね。
自分探しで終わることなく、さらに行動にも起こしていく。
では続いて、日建設計から派遣いただいた3人の方々について、石川様から見られた視点での変化などありましたら、共有いただけますでしょうか。
石川:まず、3人のプレゼンテーションが、最初に作った彼らの企画書から別物に見違えるほど整理されてきました。
1つはプレゼンテーションが非常にうまくなったなと。その背景には、いろんな方々と話をしながら、自分たちの想いというのが、自信に繋がったり、エビデンスがある程度揃ってきたので、そういう資料の作り方になったと思いますし、それは非常に大きな成果だなと。
社内でやっていると、同じような目で見てしまうので、突き進んで行けなかったりすることもあるのですが、関係者へのヒアリングなど、ドンドン行動に移して行ったことの結果が資料にフィードバックされたのが大きいかなと思います。
石川:新規事業等を行う際に最初は自分だけの想いから始まりますが、社会課題解決に関わるものであれば、共感を生むためにどういうことをやらなければいけないかということが、皆の心根に備わったという風に感じました。
それが一番大きな進化かなと思います。
今後、本プログラムに派遣をした彼らがアンバサダー的にこういうプログラムを紹介したり、新規ビジネスや新しい取り組みは「こういう形で進めていく」というプロトタイプ的な話をしてくれたりするといいなと。
かなり期待以上のものが変化として表出したと我々は思っています。
栫井:今日も7人の方のプレゼンを聞いて、すごく洗練されたプレゼンテーションを皆さんにしていただいたかなと思います。
暗黙知で有名な野中 郁次郎先生は「共感を呼べないと組織も変えられない、社会も変えられない」とよくおっしゃります。まさにその最高の実践の場のダイバーシティとなっているのかなと思いました。
どうもありがとうございました。
では、次のお題「他にどんな人におすすめするか」ですね。
栫井:どんなフェーズでどんなことに悩んでいる人、あるいはどんなバックグラウンドの人。何でもいいんですけど、それぞれ企業の方、官の方の立場で「こんな人に勧めてみたいな」というところがあったら、ぜひコメントを頂きたいなと思います。
安藤:率直に思うのは、ゼロから何かを生み出せる人。
何かベースがあって考えを始めるのではなくて、突拍子もないと言われていても、ゼロから何かを生み出せる人には、すごく合っているかなと思います。
あとは聞く力を勉強したい人ですね。
壁打ちをする上ですごく重要なのはプレゼン、自分から発信することも重要なんですが、頂いたコメントをどうやって自分で咀嚼してそれをアウトプットするか、自分の事業に展開するかといったことが重要だと感じていて、それって聞く力だと思うんですね。
それって社内同士のメンバーでやっていると、全然得難いなと思うので、そこを得たい人にはすごくもってこいかなと思いました。
栫井:確かに私もコメントを頂いて思ったんですけど、社外とのオープンイノベーションの時、社外は社内とある意味人種が違うじゃないですか。
そういった所でいろんな人種と寄り添って、そういった人たちとお互いのニーズとつなげていけるのが、最強のイノベーション力の道場にもなるのかなと思いました。
続いて竹内さん、どんな人にお勧めしたいと思っていますか。
竹内:私はいったん新規事業をやろうとして、失敗したけど、でもどうしてもあきらめたくない人にぜひお勧めしたいなとすごく思います。
というのも、今回教えていただいたことは過去自分が失敗したことを踏まえて「ある、ある」と思いながら受けられるような点が多かったのと、講師陣だけではなくて、同じ仲間たちも本当にあきらめ悪く、もがいて新しい道を探してという方がすごく多かったです。
そういった「まだ諦めきれない」という人に参加いただくと、仲間も見つかるし、何か新しい手法も見つかるし、新鮮な刺激を受ける場になるとすごく感じました。
栫井:確かに普通の組織だとそもそも新しいことに挑戦する人がすごく一握りで、それで失敗しても、同じ失敗した人が周りにあまりいないとなると、心が折れると思うんです。
この場に来ると、官民問わず同じ苦しみを知っている人がたくさんいて、そこへの立ち向かい方が人によって違う工夫をしていたりするんですよね。そういったところでお互いに相談できたり、あとは派遣された方々からの経験値としての先輩からの投げかけもプログラム中では用意しました。
「挑戦していいんだ」という空気感をどう作っていくか。
続いて、笠井さん。どんな人にお勧めしたいと思っていますか。
笠井:やはり、地域の課題解決や社会課題に対して志を持って解決したいとか、日本をよりよくしたいという人。そこが軸にある人たちがぜひぜひいろんな人たちとコミュニケーションし参加いただきたいと思います。
あと、私の今までの話の流れから、”人が好きな人”はいいんじゃないかなと思います。
栫井:公務員をやっていると、何となくいいことをやっている気もするんですけど、現場からフィードバックがひたすら来ないので「本当にいい政策をやっているのかな」と常々不安になるんですよ。
それがこういった官と民で本気でやって、民は地域やあるいはビジネスの実装力と行動力があるので、そこで一緒に対話したり、行動したりしていると、自分にダイレクトにフィードバックがかかってきて。
私がやっていることは政策としても嬉しいと言ってもらえるんだという。普段、霞が関のなかで官邸から詰められるだけでは絶対にわからないような快感が得られます。
そういったところもあるのかなと思います。
あと、人が好きというのは、さっきの話にも通じます。普段接しない人と接して、そこに興味を持って「こういう人と一緒にやったら、足し算にもなる、かけ算にもなるよね」というところを見つけていける。そうするからこそ、本当の新規事業、新規政策に新しいアプローチの仕方が生まれていくんじゃないかなと思います。
では続けて石川様の方から、どんな人にお勧めしたいか、お願いできますか。
石川:ありがとうございます。
会社の施策費を使って参加しているプログラムなので、端的にいうと成果を出したいということがあります。なので、今回は官民連携が提案のベースにあって、官民で対話することによって何かステップアップするというプロジェクト提案をセレクトしたということがあります。
石川:また、今回のプログラムはまさにこういう対話をすることでイノベーション人材が社内に育ってくれればいいなという教育的な側面もあります。
例えば、アイディアを持っているんだけど、そういう対話の仕方を日常の中でやっていない人に参加して鍛えてもらうことで、新たな自分たちの持っているスキルを再発見し、これがどこに適応できそうか、ビジネスとしての可能性やスキルをどの分野に提供すれば、自分たちはもう少し世の中のためになれるかを考えるきっかけが得られると思っています。
来年は2通りぐらいの人材をこのプログラムに送り込めるといいのかなと感じます。
栫井:ぜひ2通りともよろしくお願いいたします。
皆様から一通りコメントを頂きました。人によってフェーズが様々で、官と民という立場も様々だったりするんですが、共通して「何かをやりたい」という事業や政策としての想いがあり、その上で外部と「どうやって連携していくのか」と、両方を併せてやっていくからこそ新しい価値が出てきます。
両方あるからこその価値は、皆様に感じていただけるものだと思っています。これは今後、第2期、第3期と継続していき、各期を横断したコミュニティもどんどん作っていこうと企んでいます。なので、さらに良い経験を可能なプログラムにしていきたいと思っています。
では続いて、今後のご案内をさせていただきたいと思っております。
“新規事業・政策の推進”と”人材育成”を両立するクロス・インキュベーションプログラム
栫井:次期プログラムのご紹介です。
栫井:このプログラムの提供価値は、新しい政策、あるいは新しい事業を、「そもそもどんなビジョンなのか」、「どんな課題があるのか」、「どういった仮説でやっていくのか」といった組織として求められること、かつ自分としての想いをブラッシュアップすることにあります。
栫井:そうしたことを整理して話せるようにすることで、フィールドを超えて、、、例えば自治体を組んで一緒にやっていこうとなったり、あるいは一緒にやろうという仲間が、どんどん見つかっていきます。
そこで一緒に協働したり、あるいはここで自分としても自信をもって会社に提案し、どんどん進めていくことによって、新しい事業政策を本当に動かしていこうということです。
なので、今回「研修」というワードを使われた方が何人かいらっしゃったんですが。実はただアイディアを持ち込んで「やり方がわかった」と言って、帰った後、全然違うことをやるだけ、というのは我々としてはお勧めしていません。
本当にこのプログラムで思いついた企画、あるいはブラッシュアップした企画を、本当にその組織でやる、本気の思いがある人とご一緒させていただいています。
栫井:そういった本当にやりたくて、かつ組織の中でも働きかけようと思えるような人が、官民両方とも出ています。クラスメートみたいな形で、少人数でお互いフラットにお互い実行力を持って、お互いの想いを持っているから、オープンイノベーション、、、官民連携、民民連携、官官連携もどんどん進んでいけるプログラムになっています。
「事業や政策を進めたいのか、あるいは人材育成どっちなの?」といったご質問もよく頂くんですが、両方になります。なぜなら、本当に持ち帰って実行しようという行動力を伴っているからこそ、本当に成長すると思っているからです。両方を合わせることによって本当の事業・政策の推進と人材育成につながるものであると思っています。
栫井:対象とするフェーズとしては、0→1、1→30、30→70、70→100とざっくり割った時に、実は最初の三つのフェーズの方々には特にフィットしていると思っています。
栫井:唯一、対象外なのが70→100フェーズの方です。
つまり、仮説は全部組み上がっていて、ただあとは営業するだけという場合、どうしてもGive-Giveの関係は作りにくいんですよね。
0→1、ビジョンからゼロイチの最初の企画を一緒に考えていく人たち。1→30、最初の仮説は出来ていて、プロトタイピングや実証実験をやってみたいという人たち。30→70、ある程度動いていって、これまでの動きだけだと、ちょっと弱くて、何かここで違う味を足して、例えば製造業向け、ヘルスケア向けにやってみたいという人たち。
そうした人たちで、オープンイノベーションしながら、新しいものをやっていこうというところですね。
例えば、官民連携であれば、企業の方からすると、官と組むことによって新しい展開になる可能性が高まると思いますし、官僚からしても、普段職場で机の上でうなっていても、新しい政策はなかなか出てこない、思いつかないし、行動もなかなか難しいですよね。
そういったことをアイディア段階でもいいですし、あるいは職場の中で少しずつ提案したいなと思っていることを出していったり、あるいは行動中なんだけど来年度この政策を見直したいといった時に、仮説の壁打ちにどんどん使っていただけるかなと思っています。
なので、先に挙げた3フェーズはどの人にもお勧めということでございます。
本プログラムは、2022年度に4月開始プログラム、9月開始プログラムの2回やります。企業の方は有料になっています。そして、官僚とあと自治体の方も対象になっていますが無料です。
このプログラムで本当にGive-Giveの関係でお互いの価値を出して行けそうかなといったところは、事前に面談をさせていただきます。基本的には想いがあって行動していける方なら、やり方は我々がどんどんレクチャーしていきますので、ぜひ一緒していきたいと思っています。
ここで出会った人たちは5年後、10年後、あるいは20年後、ふとした時に連絡を取って、相談できる関係というのが出来ています。そんなコミュニティに加わってみたいと思っていただいている方。あるいは自分の部下をそうしたところに派遣したいと思ってくださる方。
ぜひご興味を持っていただいた方、来年、いいものを一緒に作っていきたいと思っております。
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・記事協力:第0セクター
・ライティング・編集・デザイン:深山