※本記事は、原則全文書き起こしとなりますが、イベントや話者の意図が一層伝わるように、一部(事務連絡、言い淀み、繰り返しなど)編集を加えております。 ※記事内の肩書などは、イベント当時のものとなります。
加茂市 商工観光課 髙野 氏(以下、加茂市 髙野):新潟県加茂市商工観光課の髙野と申します。よろしくお願いします。加茂市からは「全国の人材から、全国の消費者から、選ばれる『加茂市』を目指して」をテーマにして、企業の皆様へ加茂市が抱える課題や現状を紹介いたしました。
加茂市 髙野:まず加茂市についてですが、新潟県のほぼ中央部に位置し、新潟市や長岡市から車で約1時間程度の距離にあります。また人口減少が進んでいる中、令和4年度に市全域が過疎地域に指定されてしまいました。
加茂市 髙野:加茂市の観光名所としては、創建726年の青海神社があり、その近くを流れる加茂川を泳ぐ鯉のぼりが、春の風物詩となっています。
加茂市 髙野:産業に関するものでは、経済産業大臣指定の伝統的工芸品である「桐箪笥」。
新潟県内でも生産地が限られている、貴重な地域資源である西洋梨「ル・レクチェ」があります。
加茂市 髙野:加茂市の産業構造は、新潟県や全国と比較すると製造業が多くなっており、その中でも家具・装備品、金属製品の二種類の製造業が多くなっています。そしてその二つについては、全国と比較して労働生産性が低いという状況があります。
このような状況の中、主に製造業では人手不足が叫ばれており、進学や就職を契機とした若年層の流出も目立つところで、人手不足の解消、労働生産性の向上だけでなく、若年層にも選ばれる職場づくりが求められていると考えました。
加茂市 髙野:次に地域資源である西洋梨ル・レクチェについてです。加茂市は新潟県内2位の栽培面積を誇っていますが、ル・レクチェの全国的な認知度は、同じ西洋梨のラ・フランスよりも低いです。収穫後20℃以下で保管し、糖度を高め、果肉を滑らかにするための追熟に約40日費やすなど、手間暇がかかりますが、芳醇な香りや独特な食感から、加茂市の貴重な地域資源であり、もっと活用ができないか考えました。
加茂市 髙野:以上のことから、加茂市では二つの地域課題テーマを設定しました。
一つ目は人手不足の解消・労働生産性の向上、若年層に選ばれる職場作りです。加茂市ではITツールの導入によるDX化は遅れていると感じていたため、生産工程の効率化や業務改善を目指してDXを通じたものづくりの高度化をテーマとしました。
二つ目は貴重な地域資源の活用です。ル・レクチェは果実そのままでも魅力的ではありますが、その年の天候に影響を受け、出荷できる品質に至らず、地場消費され、その魅力を広く伝えられていない部分もあります。このようなものも活用し、新たな価値の創出を目的として、ル・レクチェの加工による活用方法をテーマにしました。
加茂市 髙野:この2つのテーマについて、企業の皆様から提案を募った結果、こちらの予想を超える多くのご提案をいただきました。全ての企業の方と面談ができればよかったのですが、そこまでの時間を設けることができず、それぞれ4件の提案に絞らせていただき、全7社の企業の皆様と面談させていただきました。
加茂市 髙野:いずれの課題についても、昨今の財政状況が厳しい中での検討を強いられており、DXを通じたものづくりの高度化については、DXの啓蒙活動から始め、伴走支援ができる取り組みを模索中です。
ル・レクチェの加工による新たな価値の創出についても、成果報酬型の取り組み、シロップへの加工の試作、農家とのマッチングを検討中です。
加茂市 髙野:今回チャレンジ新潟に参加して、多くの企業の皆様からご提案いただき、誠にありがとうございました。こちらでは数件あればいい方ではないかと考えていた中で、全部で33件のご提案をいただきました。改めて御礼申し上げます。
また、チャレンジ新潟は官民連携が求められる中で、企業とのつながりが期待できる有意義な事業であると感じました。しかしながら予算措置が厳しい中で、企業の皆様からのご提案にすぐに応えらないもどかしさも残りました。以上で加茂市の発表を終わります。ありがとうございました。