霞が関で実際に行われた改革、その知見をシェアし表彰することで更なる改革を促進する目的で開催されたピッチイベント『第1回・意外と変われる霞が関大賞』。
改革派現役官僚有志団体「プロジェクトK」が主催し、審査員として河野太郎氏、WLB代表の小室淑恵氏、千正組代表で千正康裕氏(元厚労官僚)、オブザーバーとして人事院総裁の川本裕子氏などが参加。
その様子を詳細にお届けします。
肩書を外して、官民共創の『実践の入口』をつくる
プロジェクトK 4期副代表 栫井 誠一郎(以下、栫井氏):では、続きまして第ゼロセクターよろしくお願いします。
第ゼロセクター 岡口 正也(以下、岡口氏):それでは第ゼロセクターのプレゼンを始めさせていただきます。
岡口氏:我々は、2020年から活動しております。
政府を第1セクター、企業を第2セクターあるいはNPO等を第3セクターと呼んだりすることがあります。ただ、そういった活動も元を辿れば、想いのある人が社会を良くしたいというところから大きくなっていった活動です。
岡口氏:我々、第ゼロセクターは、そういった第1セクターにも第2セクターにも第3セクターにもなり得る前の卵の段階、あるいは想いの段階から、社会変化に取り組むプレイヤーのための実践の入り口を作りたいという目的で活動をしております。
じゃあ、「なぜ、それが今の霞が関に必要なのか」というと、課題が山積し、変化が早い時代の中、従来型の政策立案も依然として必要ではあるものの、それ以上に職員一人一人が未来志向を持って様々な方と議論し、自分で考え、アクションを起こしていく取り組みが、「霞が関を活性化させ、日本を良くしていく原動力になるんだ」という想いだからこそ、「ゼロから話して、未来をつくる」という意味で第ゼロセクターという名称で活動をしています。
岡口氏:メンバーは、省庁、それから民間の人間、それぞれです。
第ゼロセクターの活動で大事にしてることが3つあります。
1つは、「肩書を外して何がやりたいのか」から入ること。それから、「ゼロベースで話せるコミュニティ」を作ること。そして、「ゼロから一歩踏み出して新しいプロジェクトを生み出すところを支援するということ」を大事にしています。
未来志向で、政策と事業の共創を支援する3つの活動
岡口氏:具体的に何をやっているのかというと、いま3つのことに取り組んでおります。
岡口氏:1つは、「想いの共有から始められる政策と事業の共創」ということで、インキュベーションプログラムを2020年から今年3年目になりますが、やっています。
それから、毎週月曜に官民共創のコラボレーションパートナーと出会う場ということで、「ランチセッション」を開催しています。
そして、未来志向で政策を作っていくに当たって、学びの場が必要ということで、「講義や体験型研修プログラム」を今年の秋より開始予定です。
インキュベーションプログラムについて説明をしますと、第1期の例でございますが、省庁や自治体、民間企業、さまざまな方に参加頂き、3ヶ月間ディスカッションし、壁打ちして、プロジェクトをブラッシュアップしていく。
そういうことをやりました。現在も続けています。
岡口氏:実際、プログラムから事業が生み出されてきており、例えば今治市の職員が今治市の製造業とクリエイターをマッチングした新事業創出の事業を作ったり、経済産業省の職員がBabyTechと言われるデジタル技術で子育てを支援する実証事業を始めたり、新事業の立ち上げに繋がってきました。
官民連携は双方にメリットがあるということで、ここでは割愛しますけれど、こういった取り組みをさらに発展させていきたいと考えています。
岡口氏:それから、毎週Monday Lunch Sessionと題して、官民共創に取り組むパートナー、あるいは省庁でボトムアップに政策を作っていこうとしている方々を呼んで、ディスカッションする場を設けております。
岡口氏:我々、有志団体としてやっているので、どうしてもまだまだ活動に限界があるのですが、こういったボトムアップの取組が霞ヶ関を変えていくと信じておりますので、様々な方と協力して今後も進めていきたいと考えております。
ぜひよろしくお願いします。
栫井氏:ありがとうございました。それでは質問を、小室さんよろしくお願い致します。
株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長 小室 淑恵(以下、小室氏):ご発表ありがとうございました。大変興味深かったです。
小室氏:(霞が関の職員は、)どうして「成長できない」だとか「外と繋がれない」ということが、大きな離職の原因になっているので、すごく良い取り組みかなと思うのですが、現状の仕事だけでも超長時間労働が常態化して、相当睡眠の短い方たちで精神的にも肉体的にも悪循環な状態になりやすい中、こうした新たな行動をする際に普段の業務と健康をどのように両立をしていくのかについて、お伺いさせて下さい。
岡口氏:まさに現場の忙しさから新しい活動ができないことは、すごく大きな問題と感じていて、そこにもアクションをとっていきたいと思っています。ただし、現状の我々の活動は(普段の業務から)+αをしている方々の支援に焦点を当てています。
自分から能動的に動くことで生まれてくるモチベーション、やりがいも非常にあると思っており、そういった事例を増やしていくことが重要だと考えています。
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・記事協力:プロジェクトK
・編集・デザイン・ライティング:深山 周作