「一時休止中?」、”大規模接種”と”職域接種”の現状をおさらいしよう。

2月17日に医療従事者の先行接種が始まってから4か月。

ついに日本でも新型コロナワクチンの接種が軌道に乗り、多くの人が接種を受けられるようになってきた。

6月末時点での累計接種人数は約3,000万人。

菅総理が目標に掲げていた「一日あたり100万回接種」を超える日も出てきており、すでにワクチンを打った人が身近に出てきている人も多いだろう。

さらに5月下旬以降、順次に「大規模接種」と「職域接種」といった形でワクチン接種を受けられる機会が設けられた。

一方で、6月下旬にワクチン供給量が不足し、これらの「一時休止」が政府から伝えられるなど、状況が日々ドラスティックに変化している。

今回は、新型コロナワクチンの「大規模接種」と「職域接種」について、仕組みや現状について解説していこう。

ワクチンの大規模接種

大規模接種の仕組み

大規模接種とは、一日あたり数百~数千人規模で接種可能な大きな会場で行なわれるワクチン接種のことだ。

大規模接種には、国が運営しているものと、各地方自治体が独自に運営しているものの2種類がある。どちらも個人がインターネット等で予約をとれば接種を受けられる仕組みになっている。

基本的には予約の際に「接種券」が必要となるので注意が必要だ。

大規模接種の現状

現在(2021/07/02)、肝心の新型コロナウイルスワクチンの供給が追いつかず、6月30日に菅総理が記者会見で新規の申請受け付けの一時休止を継続する方針を示した。

既に受け付けたものについては、精査の上対応することとしているが、まだ新規の申請受付の再開目途については続報を待っている状態だ。

国が運営する大規模接種

国が運営している大規模接種は、現在(2021/07/02)は東京(大手町合同庁舎第3号館)と大阪(グランキューブ大阪)の2会場で実施されている。接種回数の上限は2会場合わせて1日あたり1万5千回。

6月27日時点までの接種回数はおよそ42万回にのぼる。

当初は65歳以上の高齢者が対象となっていたが、現在は64歳以下も接種対象となっている。また、対象地域についても当初は制限されていたが、こちらも現在は全国が対象となっている。

地方自治体が運営する大規模接種

地方自治体が独自に実施する大規模接種については、6月末時点ではほとんどの都道府県自治体が実施中もしくは実施を検討している。また、市区町村レベルでも政令指定都市を中心に大規模接種を行なう動きが出ており、すでに実施を開始している自治体もある。

ただ、前述のとおり、新規予約受け付け、さらに場合によってはすでに予約されているものも停止・制限する動きがある。

自治体、接種予約停止の動き ワクチン不足深刻化 新型コロナ|yahooニュース

地方自治体による大規模接種は、接種対象年齢や優先順位の有無、あるいは予約方法など、各自治体によって運用方法に違いがあるため、詳しくはお住いの自治体ホームページで確認することが望ましい。

基本的には自治体に住民票を有する住民が対象になっているが、自治体によっては近隣地域の住民も対象に含めているところもある。

ワクチンの「職域接種」

厚生労働省「新型コロナワクチン職域接種の開始について」より引用

職域接種の仕組み

職域接種とは、企業や大学等ごとに集団で行なわれるワクチン接種である。1,000人以上×2回の規模で接種を行なうことが基本となっており、企業等自身が接種に従事する医療関係者および会場を確保することで申請が行なえる仕組みだ。

職域接種には様々なメリットがある。まず行政側にとっては、医療関係者や会場を企業等が確保するために、作業コストがワクチン供給の手間だけで済む。その分、自治体が行なう個別接種や集団接種にワクチンや労力を割けられる利点もある。活動量が多く新型コロナ感染のリスクも大きい若い世代や働き盛りの世代にも接種を進められることも、大きなメリットだろう。

企業や大学等にとっては、組織内でワクチン接種が進むことにより感染拡大やクラスター発生のリスクを抑えられるメリットが大きい。また、職域接種の場合は接種券が届く前でも接種を受けられることから、従業員や学生にとっては接種を早く受けられる可能性がある。

職域接種を受けられるのは大企業だけ、ではない

先述のとおり、企業等が職域接種を申請するためには「1,000人以上×2回の規模で接種を行なうこと」が条件となる。では、従業員等の人数が1,000人未満の企業等では職域接種は受けられないのかといえば、実はそうではない。

まず職域接種の対象には、自社の従業員だけではなくその家族、さらには関連企業や下請け企業、取引先等も含めることが可能となっている。従業員等の人数だけでは足りなくとも、これらの人員を含めて1,000人に到達すれば、職域接種は申請が可能になるのだ。もちろん、派遣社員やアルバイトも従業員として対象とすることができる。

さらに、中小企業等が商工会議所等の組織を通じて共同実施する形でも、職域接種は申請できる。例えば名古屋市では、いわゆる「夜の街」の事業者らが共同で職域接種を申請した旨が報道されている。

つまり、自分が働いている企業等の社員数が少ないからといって、職域接種は受けられないと判断するのは早計ということだ。

職域接種の現状

現在(2021/07/02)、大規模接種同様に肝心の新型コロナウイルスワクチンの供給が追いつかず、6月30日に菅総理が記者会見で新規の申請受け付けの一時休止を継続する方針を示した。

こちらも、既に受け付けたものについては、精査の上対応することとしているが、まだ新規の申請受付の再開目途については続報を待っている状態だ。

ワクチン接種を希望する場合、現時点で出来ることは、自分が働く企業が職域接種を行なう予定があるかを確認すること、企業内での受付情報を漏らさず確認することだ。

なお、従業員や関係企業等のうちどこまでを接種対象とするかは企業の判断次第となっているので、よく確認していただきたい。

また、小規模事業者や個人事業主は、商工会などの組織を介した職域接種について確認しておくと良いだろう。かくいう著者自身も個人事業主であり、職域接種は無いものと考えていたが、個人事業主として所属している団体が接種希望者を1,000人以上集め、職域接種を実施する予定となっている。

ワクチン接種の動きは流動的に変化。早期の接種を希望するならこまめな情報収集を

新型コロナワクチン接種については、政府は出し惜しみをせず積極的にワクチン接種を推し進める方針をとっている。その甲斐もあり大規模接種や職域接種などの取り組みが加速し、接種回数も大幅に伸びてきている。

一方で、スピードを重視している分、ワクチン接種の動きは供給量の関係やキャパシティなど、様々な要素が絡まり、かなり流動的に変化する側面もある。大規模接種におけるキャンセル待ちの中止や、職域接種の受付停止などがその典型例だ。

従って、早期のワクチン接種を希望する場合は、これらワクチン接種に関する情報収集をこまめに行なうことが肝要となる。通常のプロセスで接種する場合はいつ頃受けられそうか、職域接種は受け付けるのか、大規模接種センターでの接種はどうか。様々な接種方法を比較し、自分にとってベストな選択を見極めることが重要だ。

新型コロナワクチンについて(首相官邸)
※政府の基本方針、ワクチンの供給スケジュール、医療従事者・自治体向けの情報

コロナワクチンナビ(厚生労働省)
※ワクチンの概要、ワクチンの接種会場、ワクチンを受ける手順

新型コロナワクチンについて(厚生労働省)
※新型コロナワクチンに関する事項全般についての詳細

引用・出典・参考

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