【新型コロナ】テレワーク導入に活用できる相談事業・補助金・助成金制度(令和3年6月頭時点)

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新型コロナウイルスの感染拡大が高止まりしている今、事業者として改めて考えておきたいのが、「テレワーク」の導入だ。テレワークの導入は新型コロナ感染へのリスクヘッジに加えて、アフターコロナも含めて長期的な視点から見れば業務効率の改善などの効果も期待できる。

一方で、テレワークの導入にはハード面・ソフト面の大掛かりな準備が必要であり、そのためのノウハウを有していなかったり、コスト負担が重荷になっているという悩みを持つ事業者も多いだろう。

そこで今回は、テレワーク導入に活用できる相談事業、補助金、助成金制度について、2021年6月頭時点で利用可能なものをピックアップしてご紹介したい。

令和3年度 テレワークマネージャー相談事業(総務省)

総務省ホームページ「令和3年度「テレワークマネージャー相談事業」申請の受付開始」を参照

事業の概要

そもそもテレワークとは具体的にどのようなものなのか、どのようなシステムを導入すれば良いのか、会社のルール等はどのようにすれば良いのかなど、テレワークに興味があるけど分からないことがある場合には、総務省が実施している「テレワークマネージャー相談事業」を利用してみると良いだろう。

テレワークマネージャー相談事業とは、平成28年度より総務省が民間企業や地方自治体等を対象として実施している事業である。テレワークの導入を検討している事業者と、総務省が認定した専門家である「テレワークマネージャー」をマッチングし、事業者はテレワーク全般に関する情報提供や相談、導入に向けての支援等のコンサルティングを受けられる、という仕組みだ。

電話料金やネット通信料などの実費負担を除き、コンサルティング費用は無料。コンサルティングはWeb会議や電話により受けられるほか、一事業者あたり3回まで派遣訪問も受けられるようになっており、テレワークマネージャーに直接相談できる点も魅力だ(派遣訪問は新型コロナ感染状況により可否を判断)。

相談事業の利用手順

テレワークマネージャー相談事業の利用手順は以下のとおりだ。

  1. 専用のホームページ(https://teleworkmanager.go.jp/)より「相談希望者登録」を実施
  2. 「マイページ」でテレワークマネージャーを検索・支援申請、「メッセージ機能」にて支援内容の打ち合わせ
  3. 電話やWeb会議、現地派遣によりテレワークマネージャーからの支援
  4. 支援を受けた後に「マイページ」にて報告書を作成し提出

電話やWeb会議による支援は上限回数が無く何度でも受けることができるほか、派遣訪問についても3回まで受けることが可能だ。支援を複数回受けたい場合は、1回の支援が終了し報告書を提出してから、再度テレワークマネージャーにアポイントをとる必要がある。

テレワーク・サポートネットワーク

テレワークに関して相談してみたいけど、わざわざテレワークマネージャー事業を利用するほどではない、という場合は、同じく総務省の「テレワーク・サポートネットワーク」を知用してみると良いだろう。

テレワーク・サポートネットワークとは、テレワークの導入支援を行なうことを目的とした総務省の取り組みのことをいい、具体的には全国各地で無料相談会を開催したり、気軽に相談ができる相談窓口(地域窓口)を運営したりしている。

こちらも総務省が専用のホームページを運営しているので、詳細はそちらをご覧いただきたい。無料相談会についてはあまり開催頻度が多くはないため、すぐに話を聞いてみたい場合は地域窓口に問い合わせをしてみると良いだろう。

IT導入補助金(経済産業省)

経済産業省「IT導入補助金2021」を参照

補助金の概要

テレワークの導入にかかる費用のうち、特にITツールの導入にかかる費用については、経済産業省が運営している「IT導入補助金」の利用を検討してみるのが良いだろう。

IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者等を対象として、生産性の向上のために行なうITツール等の導入(決済システム、経理システム、顧客管理システム、ホームページ制作など)にかかる費用の一部を補助してくれる制度のことだ。

IT導入補助金の制度自体は新型コロナ禍以前から存在するが、新型コロナの感染拡大により、感染拡大の防止に役立つツール導入を対象とした特別枠である「低感染リスク型ビジネス枠」が新設。通常枠と比べて補助率が高く、通常枠では対象外であったパソコンやタブレット等のハードウェアのレンタル費用も補助対象になるなど、利便性が高まっている。

2021年度は現時点で3回、交付される予定となっており、1次締切分については5月14日で締め切られている。2次締切分の募集は7月30日が締切となっているので、申し込みたい場合は早めに準備を始めておくと安心だ。

「補助金」と「助成金」の違い

IT導入のような「補助金」と、この後ご紹介する人材確保等支援「助成金」、同じ「費用の一部を負担してもらえる」制度でも名前が違うことが気になる方もいるだろう。この名前の付け方には明確な定義がある訳ではないのだが、慣例として、補助金は厳密な審査があり採択されてはじめてお金がもらえる(=採択されなければお金はもらえない)制度であり、助成金は条件を満たせば基本的にはお金がもらえる制度である、という違いがある。

ただし、必ずしもこの慣例どおりに名前が付けられているわけではなく、例えば助成金の色合いが濃い補助金というのも存在するし、また地方自治体の場合は政府の制度よりも更に「補助金」「助成金」の言葉の使い分けが曖昧になったりもしている。名前だけで判断するのではなく、まずは公開されている公募要領等の資料を確認することが重要だ。

補助金の対象となるITツール

IT導入補助金の対象となるITツールはあらかじめ決められており、「単体ソフトウェア」「連携型ソフトウェア」のソフトウェア類、「機能拡張」「データ連携ツール」「セキュリティ」のオプション類、そして「導入コンサルティング」「導入設定・マニュアル作成・導入研修」「保守サポート」「ハードウェアレンタル」の役務類に分類されている。これらの中から一定の条件のもとで、必要なITツールを選ぶことになる訳だ。

先述した「パソコンやタブレット等のハードウェアのレンタル」については、役務類の「ハードウェアレンタル」に該当する。ただし、「ハードウェアレンタル」のみを導入する形での交付申請は認められていないので、他のITツールも合わせて選択する必要がある。

このほか、ITツール選択の詳しい条件などについては、IT導入補助金のホームページで公開されている公募要領を参照していただきたい。

補助金の申請手順

IT導入補助金の申請手順は以下のとおりだ。

  1. IT導入補助金への理解
  2. IT導入支援事業者、ITツールの選択等の事前準備
  3. 「gBizIDプライム」アカウントの取得、「SECURITY ACTION」の実施
  4. 交付申請(IT導入支援事業者との共同作成・提出)
  5. ITツールの発注・契約・支払い
  6. 事業実績報告
  7. 補助金交付手続き

IT導入補助金や、次にご紹介する人材確保等支援助成金などといった補助金や助成金に申し込む際には、事前の準備と理解をしっかりと行なうことが、手続きをスムーズに進めたり採択されるためにも非常に重要になる。

経済産業省が運営しているIT導入補助金のホームページに記載されている内容はもちろん、アップされている公募要領、交付規定についてもきちんと読み込み準備を進めるようにしていただきたい。

人材確保等支援助成金(テレワークコース)(厚生労働省)

厚生労働省ホームページ「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」を参照

助成金の概要

テレワークの導入にかかる費用のうち、特に人材確保や就労環境整備等にかかる費用をサポートする制度として、厚生労働省が「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」を運営している。

IT導入補助金はテレワーク等にも利用できるITツールの導入に対するサポートであるのに対して、こちらの人材確保等支援助成金(テレワークコース)は、労働者の人材確保や雇用管理改善等のために行なう各種取り組みにかかる費用の一部を補助してくれる制度だ。IT導入補助金と同じく、中小企業や小規模事業者等を対象としている。

人材確保等支援助成金の制度も新型コロナ禍以前からあるもので、元々は「雇用管理制度」や「人事評価改善等」、あるいは「介護福祉機器」等の取り組みが対象となっていた。そこに今回ご紹介している「テレワーク」を対象としたコースが今年度より加わった、という訳だ。

助成金の対象となる取り組み

人材確保等支援助成金(テレワークコース)では、ネットワーク機器やサーバ機器などの通信機器の導入というハード面での取り組みのほか、労働者に対する研修や就業規則等の変更・作成などといったソフト面での取り組みも対象となっている。

助成金の申請手順

人材確保等支援助成金(テレワークコース)の申請手順は以下のとおりだ。

  1. テレワーク実施計画の作成・提出
  2. 認定を受けたテレワーク実施計画に基づき、テレワークを可能とする取組を実施
  3. 評価期間(機器等導入助成)においてテレワークを実施
  4. 機器等導入助成に係る支給申請
  5. 評価期間(目標達成助成)においてテレワークを実施
  6. 目標達成助成に係る支給申請

人材確保等支援助成金(テレワークコース)の特徴は、2度の評価期間が設定されており、助成金の支給もこの2度の評価期間に対してそれぞれ行なわれる点だ。2度の評価期間では助成金を支給されるための要件も異なっているので、きっちり2度とも支給を受けたい場合はよく確認しておく必要がある。

詳細は、厚生労働省のページに掲載されている情報や、リーフレット、申請マニュアル、支給要領に載っているので、これら資料をよく確認されたい。

都道府県や市区町村が運営している制度も見てみよう

今回ここまでご紹介した制度以外にも、都道府県や市区町村が独自に制度を運営していることもある。例えば東京都では5月10日より、都内中堅・中小企業等を対象として、テレワーク機器・ソフト等のテレワーク環境整備に係る経費を助成する「テレワーク促進助成金」の募集を開始している。都道府県や市区町村の制度は、各自治体のウェブサイトに必ず掲載されているので、こちらを定期的にチェックすることをおすすめしたい。

参考資料